すべてが猫になる

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2023-01-01から1年間の記事一覧

夜の道標  (ねこ4匹)

芦沢央著。中央公論新社。 あの手の指す方へ行けば間違いないと思っていた―― 1996年、横浜市内で塾の経営者が殺害された。早々に被害者の元教え子が被疑者として捜査線上に浮かぶが、事件発生から2年経った今も、被疑者の足取りはつかめていない。 殺人犯を…

invert II 覗き窓の死角  (ねこ4匹)

相沢沙呼著。講談社。 嵐の山荘に潜む若き犯罪者。そして翡翠をアリバイ証人に仕立て上げる写真家。犯人たちが仕掛けた巧妙なトリックに対するのは、すべてを見通す城塚翡翠。だが、挑むような表情の翡翠の目には涙が浮かぶ。その理由とはーー。ミステリラン…

俺ではない炎上  (ねこ4匹)

浅倉秋成著。双葉社。 ある日突然、「女子大生殺害犯」とされた男。 既に実名・写真付きでネットに素性が曝され、大炎上しているらしい。 まったくの事実無根だが、誰一人として信じてくれない。 会社も、友人も、家族でさえも。 ほんの数時間にして日本中の…

キャリー/Carrie  (ねこ4.5匹)

スティーヴン・キング著。永井淳訳。新潮文庫。 狂信的な母親に育てられた風変りな少女キャリーは16歳。絶対的な母親の権威と、止まるところを知らぬクラス・メートたちの悪意、それに自身の肉体の変化も重なって、彼女は極度に追いつめられた。そして誰も…

すべての罪は沼地に眠る/A Flicker in the Dark  (ねこ3.7匹)

ステイシー・ウィリンガム著。大谷瑠璃子訳。ハヤカワ文庫。 クロエにとって夏の湿地は最高の遊び場だった。しかし、12歳の夏に一変する。 湿地で少女六人を殺したとして父が逮捕されたのだ。遺体は見つからなかったものの、父は有罪判決を受けた。 それから…

世界の望む静謐  (ねこ4.3匹)

倉知淳著。東京創元社。 あなたのことは、最初から疑っていました――漫画家を殺してしまった週刊漫画誌の編集者、悪徳芸能プロモーターを手にかけた歌謡界の元・スター、部下の裏切りに報復する人気タレント文化人、過去を掘り返そうとする同僚の口を封じた美…

赤ずきん、ピノキオ拾って死体と出会う。 (ねこ4匹)

青柳碧人著。双葉社。 前作『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』でミステリー界に衝撃のデビューを果たした赤ずきんに相棒ができました。 その名はピノキオ! とある目的があって一緒に旅をするのですが、ゆく先々でまたもや事件が発生します。 『白雪姫…

しおかぜ市一家殺害事件あるいは迷宮牢の殺人  (ねこ4.4匹)

早坂吝著。光文社。 「あれだけ警戒しながら読んだのに完全に騙された。まさか、そうくるとは。」ーー有栖川有栖 女名探偵の死宮遊歩は迷宮牢で目を覚ます。姿を見せないゲームマスターは「六つの迷宮入り凶悪事件の犯人を集めた。各人に与えられた武器で殺し…

二百十番館にようこそ  (ねこ4匹)

加納朋子著。文藝春秋。 「もう面倒見きれない。そこで一人で生きていけ」就活に挫折して以来ずっと、実家でオンラインゲーム三昧の日々を送る“俺”に転がり込んだ伯父さんの遺産は、離島に建てられた館を丸々一棟。なんと無職から一転して不動産持ち、これか…

紙の梟 ハーシュソサエティ (ねこ3.7匹)

貫井徳郎著。文藝春秋。 ここは、人を一人殺したら死刑になる世界――。 私たちは厳しい社会(harsh society)に生きているのではないか? そんな思いに駆られたことはないだろうか。一度道を踏み外したら、二度と普通の生活を送ることができないのではないかとい…

此の世の果ての殺人  (ねこ3匹)

荒木あかね著。講談社。 小惑星「テロス」が日本に衝突することが発表され、世界は大混乱に陥った。そんなパニックをよそに、小春は淡々とひとり太宰府で自動車の教習を受け続けている。小さな夢を叶えるために。年末、ある教習車のトランクを開けると、滅多…

縄紋  (ねこ3匹)

真梨幸子著。幻冬舎。 縄紋時代、女は神であり、男たちは種馬、奴隷でした。 フリーの校正者・興梠に届いた自費出版の原稿。それは “ 縄「紋」時代 " に関する記述から始まる不可思議なものだった。読み進めていくうち、貝塚で発見された人骨など、現在にも…

ついでにジェントルメン  (ねこ3.6匹)

柚木麻子著。文藝春秋。 分かるし、刺さるし、救われる――自由になれる7つの物語。 編集者にダメ出しをされ続ける新人作家、女性専用車両に乗り込んでしまったびっくりするほど老けた四十五歳男性、男たちの意地悪にさらされないために美容整形をしようとする…

終活中毒  (ねこ3.7匹)

秋吉理香子著。実業之日本社。 人生は、いつでも大どんでん返し。 たとえ、余命わずかでも―― 最高の最期(エンディング)、始めますか? あなたの心に火を灯す驚愕×号泣ミステリ―! ゾッとする終活、理想的な終活、人生を賭けた終活… 4人の〈終活〉に待っていた…

復讐の協奏曲  (ねこ4匹)

中山七里著。講談社。 三十年前に少女を惨殺した過去を持つ弁護士・御子柴礼司。 事務所に〈この国のジャスティス〉と名乗る者の呼びかけに応じた八百人以上からの懲戒請求書が届く。 処理に忙殺されるなか事務員の洋子は、外資系コンサルタント・知原と夕食…

むかしむかしあるところに、やっぱり死体がありました。 (ねこ4匹)

青柳碧人著。双葉社。 日本昔ばなし×本格ミステリふたたび! 2019年4月に刊行されるやいなや瞬く間にベストセラーとなった『むかしむかしあるところに、死体がありました。』の続編が誕生。 今回収録されたのは、「かぐや姫」「おむすびころころ」「わらしべ…

発注いただきました!  (ねこ3.8匹)

朝井リョウ著。集英社文庫。 『桐島、部活やめるってよ』での鮮烈なデビューから10年。著者の元には様々な企業からの原稿依頼が寄せられた。原稿枚数や登場人物、シチュエーションなど、小説誌ではあまり例を見ないようなリクエストに、著者はどのように応え…

本陣殺人事件  (ねこ4匹)

江戸時代からの宿場本陣の旧家、一柳家。その婚礼の夜に響き渡った、ただならぬ人の悲鳴と琴の音。離れ座敷では新郎新婦が血まみれになって、惨殺されていた。枕元には、家宝の名琴と三本指の血痕のついた金屏風が残され、一面に降り積もった雪は、離れ座敷…

君が見たのは誰の夢?  (ねこ3.8匹)

森博嗣著。講談社タイガ。 ドイツで受けた精密検査でロジに不具合が見つかった。詳しく 調べるため、グアトと共に日本へ帰国。情報局本部に近い病院へ 入院した。そのロジの診断データが、外部に漏洩しているという。 ロジは、まったく未知の新種ウィルスに…

鬼の話を聞かせてください  (ねこ3.8匹)

木江恭著。双葉社。 SNS上の企画「あなたの身に起きた〝鬼〟のエピソードを教えてください」に寄せられた三つの事件。 投稿者あるいは関係者三名の前に現れたのは、ひとりの男だった。桧山は「推理ゲーム」と称して隠された真相を暴いていく。 秘密にしてい…

嘘は校舎のいたるところに/The Lies You Told  (ねこ3.9匹)

ハリエット・タイス著。服部京子訳。ハヤカワ文庫。 夫に家を追い出され、ロンドンに戻ってきた弁護士のセイディ。娘ロビンと暮らすため、亡き母の家に住み、嫌っていた母校に娘を通わせることになる。学校で起きた性犯罪として世間の注目を集める裁判を担当…

悪と無垢  (ねこ3.8匹)

一木けい著。角川書店。 彼女は無邪気に、優雅に、意味もなく、他人を不幸に陥れる。 「逃げなきゃ。この女のそばにいるのは危険すぎる」 新人作家、汐田聖が目にした不倫妻の独白ブログ。ありきたりな内容だったが、そこに登場する「不倫相手の母親」に感情…

名探偵のいけにえ 人民教会殺人事件  (ねこ3.7匹)

白井智之著。新潮社。 病気も怪我も存在せず、失われた四肢さえ蘇る、奇蹟の楽園ジョーデンタウン。 調査に赴いたまま戻らない助手を心配して教団の本拠地に乗り込んだ探偵・大塒は、次々と不審な死に遭遇する。 奇蹟を信じる人々に、現実世界のロジックは通…

ブレイクニュース  (ねこ3.8匹)

薬丸岳著。集英社。 ユーチューブで人気のチャンネル『野依美鈴のブレイクニュース』。児童虐待、8050問題、冤罪事件、パパ活の実情などを独自に取材し配信。マスコミの真似事と揶揄され、誹謗中傷も多く、中には訴えられてもおかしくない過激でリスキーな動…

だからダスティンは死んだ/Before She Knew Him  (ねこ3.8匹)

ピーター・スワンソン著。務台夏子訳。創元推理文庫。 ボストン郊外に越してきた版画家のヘンと夫のロイドは、隣の夫婦マシューとマイラの家に招待された。食事後にマシューの書斎に入ったとき、ヘンは2年半前に起きたダスティン・ミラー殺人事件で、犯人が…

金沢旅行 ~和倉温泉と金箔の町でおさかな三昧~

3月30日~久しぶりに1泊旅行行って来ました! 金沢は、金沢駅構内(おみやげ屋エリア)をうろついたことならあるのですが、実質初めて。ここんとこ身体全体がだるいので、温泉に浸かりたいということでなんとなく選ばれた和倉温泉。それほどハシャげる旅…

聖女と悪女  (ねこ3.8匹)

真梨幸子著。小学館。 葉山の別荘で結婚パーティーの最中、カリスマブロガーの月村珠里亜が倒れ、昏睡状態に。心理カウンセラーの麻乃紀和は、死んだ息子を陥れた珠里亜に復讐を果たすべく、彼女の身辺を調べ始める。 そんな折、四谷の超高級マンションで発…

どうしても生きてる  (ねこ4匹)

朝井リョウ著。幻冬舎文庫。 死んでしまいたいと思うとき、そこに明確な理由はない。心は答え合わせなどできない。(「健やかな論理」)尊敬する上司のSM動画が流出した。本当の痛みの在り処が写されているような気がした。(「そんなの痛いに決まってる」)生ま…

スモールワールズ  (ねこ3.9匹)

一穂ミチ著。講談社。 夫婦円満を装う主婦と、家庭に恵まれない少年。「秘密」を抱えて出戻ってきた姉とふたたび暮らす高校生の弟。初孫の誕生に喜ぶ祖母と娘家族。人知れず手紙を交わしつづける男と女。向き合うことができなかった父と子。大切なことを言え…

プロジェクト・インソムニア  (ねこ3.8匹)

結城真一郎著。新潮社。 「年齢・性別・属性の異なるメンバーが夢のなかで生活を共にする」。 特殊睡眠導入剤〈フェリキタス〉の開発で莫大な財を成した、ソムニウム社による極秘人体実験、〈プロジェクト・インソムニア〉。被験者に選ばれた蝶野は、失意の…