すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧

蒲公英草紙 常野物語  (ねこ3.6匹)

恩田陸著。集英社文庫。 青い田園が広がる東北の農村の旧家槙村家にあの一族が訪れた。他人の記憶や感情をそのまま受け入れるちから、未来を予知するちから…、不思議な能力を持つという常野一族。槙村家の末娘聡子様とお話相手の峰子の周りには、平和で優し…

月の砂漠をさばさばと  (ねこ4匹)

北村薫著。絵 おーなり由子。新潮文庫。 9歳のさきちゃんと作家のお母さんは二人暮し。毎日を、とても大事に、楽しく積み重ねています。お母さんはふと思います。いつか大きくなった時、今日のことを思い出すかな―。どんな時もあなたの味方、といってくれる…

死のドレスを花婿に/Robe de Marie (ねこ4匹)

ピエール・ルメートル著。吉田恒雄訳。文春文庫。 ソフィーの目の前に転がる男児の無残な死体。ああ、私はついに人を殺してしまった。幸福だった彼女の破滅が始まったのは数年前。記憶にない奇行を繰り返し、彼女はおぞましい汚名を着て、底辺に転落したのだ…

本棚探偵の回想  (ねこ5匹)

喜国雅彦著。双葉文庫。 あるときは、出版状況の日本を救うために、五万円を握りしめて本屋へ向かい、またあるときは自分の趣味全開のアンソロジー『女の足』を編んでみる。好評の古本エッセイ第2弾は「本の雑誌」が選ぶ2004年ベスト10で堂々の第3位!映画…

光  (ねこ5匹)

道尾秀介著。光文社文庫。 利一が小学生だった頃、仲間といれば毎日が冒険だった。真っ赤に染まった川の謎と、湖の人魚伝説。偽化石づくりの大作戦と、洞窟に潜む殺意との対決。心に芽生えた小さな恋は、誰にも言えなかった。懐かしいあの頃の記憶は、心から…

Dカラーバケーション  (ねこ3.6匹)

加藤実秋著。創元推理文庫。 風営法の改正に合わせ、club indigoは営業形態を変更。若手ホストが接客する、よりカジュアルな二部を設け、集客に効果をあげていた。だが、イマドキな若手ホストは都市伝説がらみのトラブルを運んでくるし、晶は豆柴と殺人事件…

大きな音が聞こえるか  (ねこ3.8匹)

坂木司著。角川文庫。 退屈な毎日を持て余す高1の泳。サーフィンをしている瞬間だけは、全てを忘れられる気がした。そんなある日、泳は“終わらない波”ポロロッカの存在を知る。「この波に乗ってみたい―」。こみ上げる想いに、泳はアマゾン行きを決意する。ア…

あの女  (ねこ3.6匹)

真梨幸子著。幻冬舎文庫。 タワーマンションの最上階に暮らす売れっ子作家・珠美は人生の絶頂。一方、売れない作家桜子は安マンションで珠美を妬む日々。あの女さえいなければ―。ところが、珠美がマンションから転落。女たちの運命が逆転した…が、それは悲劇…