すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧

壺中の天国 (ねこ4.4匹)

倉知淳著。角川文庫。 「全能にして全知の存在から電波を受信している私を妨害しないで頂きたい」ーー静かな地方都市で 奇妙な怪文書が見つかる。それは、あたかも同市で発生した通り魔殺人の犯行声明のようであった。 その後第二、第三の通り魔殺人が起こる…

人形式モナリザ (ねこ3.8匹)

森博嗣著。講談社文庫。 蓼科に建つ私設博物館「人形の館」に常設されたステージで衆人環視の中、「乙女文楽」演者が謎の死を遂げた。二年前に不可解な死に方をした悪魔崇拝者。その未亡人が語る「神の白い手」。美しい避暑地で起こった白昼夢のような事件に…

赤い指 (ねこ4匹)

東野圭吾著。講談社。 待望の加賀シリーズ最新作ですよ!(T^T)。※未読の方は以下読まない方が良いです。 前原昭夫は、妻子に疎まれ家に帰りたくないが故に残業に明け暮れる毎日だった。認知症となった 母と同居し、息子は友人を作れず反抗的で引きこも…

フォー・ディア・ライフ (ねこ3.8匹)

柴田よしき著。講談社文庫。 無認可保育園の園長である花咲慎一郎は、元刑事であり過去に傷を抱えていた。経営が苦しい 保育園をなんとかするため、時には副業で探偵としてヤバい仕事も引き受ける。今回の依頼は ヤクザの事務所に監禁された少年の保護。そし…

レベル7 (ねこ4.2匹)

宮部みゆき著。新潮文庫。 レベル7まで行ったら戻れないーーー謎の言葉を残して失踪した女子高生。記憶を全て失って 目覚めた若い男女の腕に浮かび上がった「Level 7」の文字。少女の行方を探すカウンセラーと 自分たちが何者なのかを調べる二人。二つの追…

塗仏の宴 <宴の支度><宴の始末> (ねこ4.1匹)

京極夏彦著。講談社文庫。 『塗仏の宴 ~宴の支度~』と『塗仏の宴 ~宴の始末~』の2冊完結版。 「支度」だけでも一応の完結はしているとの事だが、謎が中途になっているし 全ての事象が「支度」では披露されていないので絶対「始末」も読むべき。 「始末…

初恋よ、さよならのキスをしよう (ねこ3.7匹)

樋口有介著。創元推理文庫。 柚木草平シリーズ第2弾。 娘と訪れたスキー場で、柚木草平は高校時代の初恋の女性・卯月実可子と二十年ぶりに出会う。 以前と変わらない美貌のまま、雑貨店オーナーとして活躍していた彼女が、再開後まもなく 何者かに殺害され…

黒猫の三角  (ねこ4匹)

森博嗣著。講談社文庫。 一年に一度決まったルールの元で起こる殺人。今年のターゲットなのか、6月6日、44歳になる小田原静子に脅迫めいた手紙が届いた。探偵・保呂草は依頼を受け「阿漕荘」に住む面々と桜鳴六画邸を監視するが、衆人環視の密室で静子は…

レイクサイド (ねこ4.3匹)

東野圭吾著。文春文庫。 藤間夫妻の姫神湖の別荘に、子供の受験勉強合宿の為に集まった4組の家族。並木も妻の連れ子で ある息子の為に赴いたが、並木の愛人である高階英里子が現れた。やがて並木の留守中に起きた 殺人事件。加害者は並木の妻、美菜子で、被…

月の影 影の海 <十二国記> (ねこ3.8匹)

小野不由美著。講談社文庫。 八方美人で優等生の平凡な女子高生、陽子は、学校に現れた謎の男に強引に連れ出される。 辿り着いた先は、地図にない巧国という国。その国で陽子は「海客」と呼ばれる禍をもたらす お尋ね者となる。自分を連れて来た「タイホ」と…

地球儀のスライス (ねこ4.2匹)

森博嗣著。講談社文庫。 「黒窓の会」。西之園萌絵を囲んで開かれるその秘密の勉強会にゲストとして招かれた犀川創平は、古い写真にまつわるミステリィを披露した。屋根飾りと本体が別々になった奇妙な石塔は、何のために作られたのだろうか。S&Mシリーズ2編…

少女達がいた街 (ねこ3.8匹)

柴田よしき著。角川文庫。 1975年。ロックを愛する若者が渋谷には溢れていた。高校生のノンノは、ドラマーのチアキと ロック喫茶に入り浸る毎日。ノンノは恋愛中の教師とディープパープルの来日公演へ出かける事に 情熱をかけ、チアキはバンドがメジャー…

凍える島 (ねこ3.6匹)

近藤史恵著。創元推理文庫。第4回鮎川哲也賞受賞作。 あやめ達「北斎屋」の従業員と常連仲間一行は、休暇旅行で瀬戸内海のS島へやって来た。この島は 新興宗教の聖地だと言う。集まった8人の男女は、それぞれ内部に事情を抱えていて少しいびつな 雰囲気。…

ちーちゃんは悠久の向こう (ねこ3.6匹)

日日日(あきら)著。新風舎文庫。 高校生の「ぼく」の親友、「ちーちゃん」こと歌島千草は、クラスメイトでぼくの隣に住んでいる。 ちーちゃんは幽霊が大好きで、毎日ぼくは振り回されてばかり。ぼくの「平穏な日常」は ちーちゃんがいて、学校に通って、家…

私が殺した少女 (ねこ3匹)

原りょう著。ハヤカワ文庫。第102回直木賞受賞作。 私立探偵の沢崎は、豊島区で起きた誘拐事件にひょんな事から関わってしまい、犯人グループの 共犯の疑いをかけられる。誘拐されたのは邸宅の9歳の少女。身代金の運搬役に指名された 沢崎は、犯人に翻弄…

秘密機関 /The Secret Adversary (ねこ3.8匹)

陸軍中尉であったトミーと元看護士のタペンスは幼なじみ。不況の財政危機の中、二人は偶然地下鉄で 再会した。お金と退屈な日常の脱退を求めて、ひょんな事から二人は「青年冒険家商会」という名で 新聞に記事を掲載しようと試みる。しかし、その実行前にカ…

RIKO ー女神の永遠ー (ねこ4.2匹)

柴田よしき著。角川文庫。第15回横溝正史賞受賞作。 新宿署の女性刑事・村上緑子のチームは、ビデオ店から恐ろしい犯罪映像を押収した。 映っていたのは、男性が男性を犯す残虐な輪姦シーン。さらに、被害者の男子が連続して 不可解な死を遂げている。 一…

硝子のハンマー (ねこ4匹)

貴志祐介著。角川書店。 介護会社の役員達と数名の社員は、ある日曜日、株式上場を目前として休日出勤していた。 セキュリティ万全なビル内。命令で動く介護ロボットの実演、介護ザルなど、画期的で 先鋭的なアイデアに社内は湧き立つ。 そんな日曜の午後、…

ワイルド・ソウル (ねこ3.9匹)

垣根涼介著。幻冬舎。 戦後の日本。移民政策で、ブラジルの果てた地へ追いやられた日本人家族。パスポートを取り上げられ、 訴えも聞き入れられないままアマゾン牢人として悲惨な運命を多くの人間が辿った。家族を病気で 失い、生死を彷徨った生き残りの彼ら…

館島 (ねこ3.6匹)

東川篤哉著。東京創元社ミステリ・フロンティア。 天才建築家・十文字和臣が建てた異形の館。半年前、当主の十文字が館の巨大な螺旋階段の下で 「墜落死」しているのを発見された。事件は不可思議な謎を残したままだった。 やがて、その館に集められる当時の…

そして誰もいなくなる (ねこ3.7匹)

今邑彩著。中公文庫。 天川学園。名門女子校百周年記念式典で、高等部演劇部がクリスティの名作『そして誰もいなくなった』を 上演する。その舞台の真っ最中、原作通りに一番目の被害者役の生徒が毒を呷って死亡する。学園は パニックとなるが、その後も台本…

チャット隠れ鬼 (ねこ3.3匹)

山口雅也著。光文社。 神名川学院の教師である祭戸は、学院長に命じられてネットの中の未成年犯罪を未然に防ぐ自警団員、 「サイバー・エンジェル」の任につく事となった。 チャット初心者でありネット音痴の祭戸は、練習の為に参加してみたチャットで出会っ…

透明人間の納屋 (ねこ3.2匹)

島田荘司著。講談社ミステリーランド。 母子家庭のヨウイチは、孤独な少年。自宅の隣にある印刷所の真鍋さんとの交流が心の支えだ。 しかし、真鍋さんの妹、真由美さんが意地悪な人で、いつもヨウイチと母の文句ばかり言って 真鍋さんと喧嘩してる。しかも真…

悪いうさぎ (ねこ3.6匹)

若竹七海著。文春文庫。 葉村晶はフリー契約の女探偵。今回の依頼は、家出していると見られる行方不明中の女子高生の 平ミチルの居所を突き止め、連れ帰る事。ミチルは見付かったが、新たにミチルの友人である 美和という少女が行方不明になっていた。そして…

依頼人は死んだ (ねこ3.7匹)

若竹七海著。文春文庫。 「葉村晶シリーズ」第2弾。連作短編集。 元探偵事務所所属の葉村晶は、今回一時的な復帰をする。依頼されれば動いて報酬をもらう、という 契約だ。前作で重く暗い家族構成が判明し陰りのある主人公が、クールに様々な事件に挑む。 …

MISSING (ねこ3.7匹)

本多孝好著。双葉文庫。2000年「このミステリーがすごい!」第10位作品。 透明感あふれる、ちょっと不思議で切ない5つの物語。収録作「眠りの海」で第16回小説推理新人賞 受賞。デビュー作です。 先日、光原百合氏の「十八の夏」がなかなか良かった…

ラインの虜囚 (ねこ3.7匹)

田中芳樹著。講談社ミステリーランド。 カナダの少女コリンヌは、父の訃報を祖父に知らせるためパリにやって来た。そこで冷たく 迎えられた祖父に、自分が孫だと言う証拠を見せるため「双角獣の塔に幽閉されている仮面の男は 誰かを探れ」という試練を課され…

サウスバウンド (ねこ3.6匹)

角川書店。 上原二郎は、東京在住の平凡な小学六年生。両親と、姉、妹の5人家族。しかし二郎の 父親は元過激派で、作家志望で毎日家にいる。それが普通だと思っていたが、どうやら 周りのお父さんは違うようだ。父親は今でも官僚を嫌い、国の税金システム、…

幽霊人命救助隊 (ねこ4.8匹)

高野和明著。文藝春秋。 人生に疲れ、天国と地獄の中間に置き去りにされた4人の霊たち。自殺の理由はさまざま、 年齢、生きた時代、性別もさまざまな彼らに、「神様」から天国行きの条件を突きつけられる。 「人命救助隊」を結成し、地上にいる100人の自…