すべてが猫になる

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2014-01-01から1年間の記事一覧

『アリス・ミラー城』殺人事件  (ねこ3匹)

北山猛邦著。講談社文庫。 鏡の向こうに足を踏み入れた途端、チェス盤のような空間に入り込む―『鏡の国のアリス』の世界を思わせる「アリス・ミラー城」。ここに集まった探偵たちが、チェスの駒のように次々と殺されていく。誰が、なぜ、どうやって?全てが信…

小鳥を愛した容疑者  (ねこ3.8匹)

大倉崇裕著。講談社文庫。 銃撃を受けて負傷した警視庁捜査一課の鬼警部補・須藤友三は、リハビリも兼ねて、容疑者のペットを保護する警視庁総務部総務課“動植物管理係”に配属された。そこでコンビを組むことになったのが、新米巡査の薄圭子。人間よりも動物…

流れ星と遊んだころ  (ねこ4.5匹)

連城三紀彦著。双葉文庫。 傲岸不遜な大スター「花ジン」こと花村陣四郎に隷属させられているマネージャーの北上梁一は、ある夜、一組の男女と出会う。秋場という男の放つ危険な魅力に惚れこんだ梁一は、彼をスターにすることを決意。その恋人である鈴子も巻…

ブラックジュース/Black Juice (ねこ3.7匹)

マーゴ・ラナガン著。佐田千織訳。河出書房新社奇想コレクション。 夫殺しの罪でタール池に生きたまま沈められる姉さんの死を、僕たちは歌いながら最後まで見届ける―世界幻想文学大賞受賞の残酷譚「沈んでいく姉さんを送る歌」、道化師を執拗に狙う殺し屋を…

深山木薬店説話集 薬屋探偵妖綺談  (ねこ3.7匹)

高里椎奈著。講談社文庫。 美形の妖怪三人組が営む「深山木薬店」。彼らが織りなす「薬屋探偵妖綺談」シリーズの番外編。シリーズの前史となる、リベザルが秋や座木と知り合ったときの話、秋と零一の出会い。そして、シリーズの最終巻で、秋が旅立った後の、…

モナミは世界を終わらせる?  (ねこ3.8匹)

はやみねかおる著。角川文庫。 真野萌奈美、いたって普通の高校2年生…だったはずなのに、突然現れた男が身辺警護をするという。彼曰く、世界の出来事は、学校の出来事とシンクロしていて、わたしは世界の行く末の鍵を握っているんだって!早朝練習をしていた3…

姫君よ、殺戮の海を渡れ  (ねこ3.5匹)

浦賀和宏著。幻冬舎文庫。 敦士は、糖尿病の妹・理奈が群馬県の川で見たイルカを探すため、彼女と友人とともに現地へ向かう。当初イルカの存在を信じていなかった敦士だが、町の人々の不審な様子により、隠された秘密があることに気が付く。やがて彼らが辿り…

金色の獣、彼方に向かう  (ねこ3.8匹)

恒川光太郎著。双葉文庫。 鎌倉の山中に庵を結ぶ僧に、謎めいた旅の男が語り聞かせる驚くべき来歴―数奇な運命により、日本人でありながら蒙古軍の間諜として博多に潜入した仁風。本隊の撤退により仲間とともに取り残されるが、やがて追われる身となった一行…

ウィンター・ホリデー  (ねこ4匹)

坂木司著。文春文庫。 元ヤンキーでホストだった沖田大和の生活は、小学生の息子・進が突然に夏休みに現れたことから一変。宅配便のドライバーへと転身し子供のために奮闘する。そして冬休み、再び期間限定の親子生活がはじまるが、クリスマス、お正月、バレ…

化石少女  (ねこ3.9匹)

麻耶雄嵩著。徳間書店。 学園の一角に建つ壁には日暮れると生徒たちの影が映った。そしてある宵、壁は映し出した、恐ろしい場面を……。京の名門高校に次々起こる凶悪事件。古生物部の部長にして化石オタクのまりあが、たった一人の男子部員をお供に繰り出す、…

PK  (ねこ3.7匹)

伊坂幸太郎著。講談社文庫。 彼は信じている。時を超えて、勇気は伝染する、と――人は時折、勇気を試される。落下する子供を、間一髪で抱きとめた男。その姿に鼓舞された少年は、年月を経て、今度は自分が試される場面に立つ。勇気と臆病が連鎖し、絡み合って…

パニック・パーティ/Panic Party (ねこ3.9匹)

アントニイ・バークリー著。武藤崇恵訳。原書房。 クルーザーの故障から無人島に取り残されたのは、ロジャー・シェリンガム含む15人の男女。しかしどこか仕組まれたようであった。あんのじょう、クルーザーのオーナー、「素敵な船旅」のホスト役が全員を集め…

シュークリーム・パニック Wクリーム  (ねこ3.7匹)

倉知淳著。講談社ノベルス。 「絶食って、何も食べちゃいけないんですか」―体質改善セミナーに参加したメタボな男性4人組。インストラクターの無慈悲な指導によって、耐え難い空腹感が行き場のない怒りへと変わっていく中、冷蔵庫のシュークリームが盗まれる…

シュークリーム・パニック 生チョコレート  (ねこ3.6匹)

倉知淳著。講談社ノベルス。 高校2年生の夏休み。受験勉強を前に、羽を伸ばしてすごせる最後の夏、「僕」は仲間たちと映画制作を始めた。監督の「僕」は以前から気になっていた同級生、百合川京子を主役に抜擢し、撮影は快調。しかしその最終日、ラストシー…

○○○○○○○○殺人事件  (ねこ3.8匹)

早坂吝著。講談社ノベルス。第50回メフィスト賞受賞作。 アウトドアが趣味の公務員・沖らは、フリーライター・成瀬のブログで知り合い、仮面の男・黒沼が所有する孤島で毎年オフ会を行っていた。沖は、今年こそ大学院生・渚と両想いになりたいと思っていた…

流れよわが涙、と警官は言った/Flow My Tears,The Policeman Said (ねこ3.7匹)

フィリップ・K・ディック著。友枝康子訳。ハヤカワ文庫。 三千万の視聴者から愛されるマルチタレントのタヴァナーは、ある朝見知らぬ安ホテルで目覚めた。やがて恐るべき事実が判明した。身分証明書もなくなり、世界の誰も自分のことを覚えてはいない。それ…

或るろくでなしの死  (ねこ4匹)

平山夢明著。角川ホラー文庫。 良識を示そうとした浮浪者が誰にも相手にされずに迎える「或るはぐれ者の死」、他国で白眼視されながら生きる故郷喪失者の日本人が迎える「或る嫌われ者の死」、自らの欲望に女の子を奉仕させようとしたくだらない大人が迎える…

アナザーフェイス  (ねこ3.8匹)

堂場瞬一著。文春文庫。 警視庁刑事総務課に勤める大友鉄は、息子と二人暮らし。捜査一課に在籍していたが、育児との両立のため異動を志願して二年が経った。そこに、銀行員の息子が誘拐される事件が発生。元上司の福原は彼のある能力を生かすべく、特捜本部…

本棚探偵の冒険  (ねこ5匹)

喜国雅彦著。双葉文庫。 ある時は人気漫画家、またある時はミステリマニアで愛妻家、しかしてその実体は――"古本者"だった。ポケミス求めて東奔西走、狂喜乱舞の乱歩邸、試行錯誤の豆本作り。単行本未収録の座談会「嗚呼、本日も古本まみれ」をオマケに付け、…

蜜姫村  (ねこ3.7匹)

乾ルカ著。ハルキ文庫。 珍種のアリを求めて瀧埜上村仮巣地区を訪れた昆虫学者の山上一郎と妻・和子。医師免許を持つ和子は、医者のいない仮巣地区の人々を健康診断したいと申し出るのだが、必要ないと冷たくあしらわれてしまい、その異様な雰囲気に戸惑って…

腕貫探偵  (ねこ3.6匹)

西澤保彦著。実業之日本社文庫。 謎の“腕貫”着用職員が市民の悩みを次々に解明! 大学に、病院に、警察署に……突如現れる「市民サーヴィス課臨時出張所」。 そこに座る年齢不詳の奇妙な男に、悩める市民たちはついつい相談を持ちかけてしまう。 隣人の遺体が…

インビジブルレイン (ねこ3.8匹)

誉田哲也著。光文社文庫。 姫川班が捜査に加わったチンピラ惨殺事件。暴力団同士の抗争も視野に入れて捜査が進む中、「犯人は柳井健斗」というタレ込みが入る。ところが、上層部から奇妙な指示が下った。捜査線上に柳井の名が浮かんでも、決して追及してはな…

七人の敵がいる  (ねこ4.3匹)

加納朋子著。集英社文庫。 編集者としてバリバリ仕事をこなす山田陽子。一人息子の陽介が小学校に入学し、少しは手が離れて楽になるかと思ったら―とんでもない!PTA、学童保育所父母会、自治会役員…次々と降りかかる「お勤め」に振り回される毎日が始まった。…

悪魔はすぐそこに/Devil at Your Elbow (ねこ3.7匹)

D・М・ディヴァイン著。山田蘭訳。創元推理文庫。 ハードゲート大学の数学講師ピーターは、横領容疑で免職の危機にある亡父の友人ハクストンに助力を乞われた。だが審問の場でハクストンは、教授たちに脅迫めいた言葉を吐いたのち変死する。次いで図書館で…

真夏の方程式  (ねこ3.7匹)

東野圭吾著。文春文庫。 夏休みを玻璃ヶ浦にある伯母一家経営の旅館で過ごすことになった少年・恭平。一方、仕事で訪れた湯川も、その宿に宿泊することになった。翌朝、もう1人の宿泊客が死体で見つかった。その客は元刑事で、かつて玻璃ヶ浦に縁のある男を…

お召し上がりは容疑者から パティシエの秘密推理  (ねこ3.7匹)

似鳥鶏著。幻冬舎文庫。 警察を突然辞めた惣司智は兄の季が継いだ喫茶店でパティシエとして働き始めた。鋭敏な推理力をもつ智の知恵を借りたい県警本部は秘書室の直ちゃんを送り込み難解な殺人事件ばかり相談させている。弟をお菓子作りに専念させたい兄は、…

黒猫の遊歩あるいは美学講義  (ねこ3.7匹)

森晶麿著。ハヤカワ文庫。 でたらめな地図に隠された意味、しゃべる壁に隔てられた青年、川に振りかけられた香水、現れた住職と失踪した研究者、頭蓋骨を探す映画監督、楽器なしで奏でられる音楽…日常に潜む、幻想と現実が交差する瞬間。美学・芸術学を専門…

人造救世主  (ねこ3匹)

小林泰三著。角川ホラー文庫。 女子大生のひとみは、留学生のジーンと共に古都の寺院を訪れていた。そこに西洋風の同じ顔を持つ者たちが突如出現し、建造物を破壊し始め、ひとみ達にも襲いかかる。二人の窮地に現れたのはヴォルフという謎の男。ヴォルフは単…

愛おしい骨/Bone by Bone (ねこ3.6匹)

キャロル・オコンネル著。務台夏子訳。創元推理文庫。 十七歳の兄と十五歳の弟。ふたりは森へ行き、戻ってきたのは兄ひとりだった。二十年ぶりに帰郷したオーレンを迎えたのは、時が止まったかのように保たれた家。誰かが玄関先に、死んだ弟の骨をひとつずつ…

ダーク・タワーⅠ ガンスリンガー/The Gunslinger The Dark Tower I

スティーヴン・キング著。風間賢二訳。新潮文庫。 なにもかもが奇妙に歪んだ地、この世ならぬ異境で“黒衣の男”を追い続ける孤高の男がいた。最後の“ガンスリンガー”、拳銃使いのローランド。彼はひとりの少年と出会い、ともに旅を続けるが―。“黒衣の男”とは…