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インビジブルレイン (ねこ3.8匹)

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 姫川班が捜査に加わったチンピラ惨殺事件。暴力団同士の抗争も視野に入れて捜査が進む中、「犯人は柳井健斗」というタレ込みが入る。ところが、上層部から奇妙な指示が下った。捜査線上に柳井の名が浮かんでも、決して追及してはならない、というのだ。隠蔽されようとする真実―。警察組織の壁に玲子はどう立ち向かうのか?シリーズ中もっとも切なく熱い結末!(裏表紙引用)

 


姫川玲子シリーズ第4弾。SPを含むドラマは全て観ている気がするのだが、映画は観た覚えがない。どうやらこの「インビジブルレイン」が映画の原作のようだ。評価をザっと見るとこの「原作」は概ね高評価で、それも納得の内容。

 

この作品では、暴力団同士の抗争が絡む。警察小説シリーズを読むにあたってそれはいつかは避けられない題材なのだが、そういうものが苦手な(小説として)自分でもすんなりと頭に入った。それは、事件が一般人である青年に端を発したものであるからで、素人とヤクザがこういう風に絡み、こういう風に運命を変えていくのかという面白味が強かったから。そしてこの作品の最大の特徴は、姫川玲子の恋愛だろうと思う。最初の頃は、心が男にフラフラしていて軽い!私の好きな姫川玲子はこんなチャラい女じゃない!と展開に反感を持っていたが、みるみるうちに玲子と男の禁断の関係に引き込まれ、最後には怒涛の涙が雨あられ(;_;ううう、玲子。。。

 

しかも、警察ものではあまり重要視しない事件の真相部分でアラマと驚いた。小説だからかな。映像だと役者の知名度とかで結構分かったりするから。。。誰が演じているのか、ちょっと期待。そして警察の最後の決断にもビックリ。実際こんな警察あるかあ~?と疑ってしまうが、良い方向に進んで良かった気がする。その分、玲子には試練が待っているのだけれど。。これからどうなるのかなあ。シリーズ4弾にして、マンネリを避けたこの展開も凄く評価できる。