すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

雨の日は、一回休み  (ねこ3.9匹)

坂井希久子著。PHP研究所。 おじさんはひどい。でも、おじさんだってつらい⁉ 男性は「そうなんだよ」と共感、女性は「こんな人に困ってる! 」と思わず頷く物語。報われない「おじさん」たちの心情を時にコミカルに、時に切なく描き出す、連作短編集。(紹介…

レッドクローバー  (ねこ3.7匹)

まさきとしか著。幻冬舎。 家族が毒殺された居間で寛ぎ ラーメンを啜っていた一人の少女。 彼女が──家族を殺したのではないか。 東京のバーベキュー場でヒ素を使った大量殺人が起こった。記者の勝木は、十数年前に北海道で起こった家族毒殺事件の、ただ一人…

災いの古書/The Sign of the Book  (ねこ4匹)

ジョン・ダニング著。横山啓明訳。ハヤカワ文庫。 古書店主クリフは、恋人エリンの頼みで蔵書家射殺事件の調査を開始した。被害者男性とエリンが交際していた過去があり、容疑者女性がエリンの元親友という事情から依頼を引き受けたのだ。まもなく被害者が貴…

追憶の殺意  (ねこ3.7匹)

中町信著。創元推理文庫。 自動車教習所の配車係が川土手で頭を強打して死んでいた。さらに技能主任が密室状況下で殺され、続いて指導員と教習生を巻き込み、複雑に絡み合った人間関係の中から、捜査線上に浮かんだ一人の容疑者。だが、その人物には、二重三…

逢魔宿り  (ねこ3.7匹)

三津田信三著。角川書店。 雨の日には、読まないでください。 ホラー作家の「僕」に、デザイナーの松尾は昔ある四阿で出会った奇妙な一家の話を語る。山小屋での恐怖体験、障子に映る異常な影絵、宿直中の学校での異変。一家が怪異譚を語るたび、近隣で不可…

雪の花  (ねこ3.7匹)

秋吉理香子著。小学館文庫。 列車に飛び乗り、上京して40年。何もかもが夢のようにうまくいっていたバブル期の輝かしい栄光は過去のものとなり、経済的な困窮に陥った夫婦が、死を覚悟して帰郷する。人気のない故郷。真っ白な雪に埋もれた母校でふたりが見つ…

捕虜収容所の死/Death in Captivity  (ねこ3匹)

マイケル・ギルバート著。石田善彦訳。創元推理文庫。 第二次世界大戦下、イタリアの第一二七捕虜収容所でもくろまれた大脱走劇。ところが、密かに掘り進められていたトンネル内で、スパイ疑惑の渦中にあった捕虜が落命、紆余曲折をへて、英国陸軍大尉による…

ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人  (ねこ3.8匹)

東野圭吾著。光文社文庫。 結婚を控えた神尾真世に「父が殺害された」と警察から連絡が入った。真世は仕事と結婚準備を抱えたまま、寂れた故郷へ降り立つ。そこは人が滅多に訪れない小さな観光地で、ようやく射した希望の光すら新型コロナウイルスの蔓延によ…

馬鹿と嘘の弓  (ねこ3.9匹)

森博嗣著。講談社文庫。 探偵事務所への匿名の依頼は、あるホームレス青年の調査だった。 彼は穏やかで理知的な人物だが、社会に絶望していた。 調査の目的に疑問を感じながら、探偵が尾行を続けるうちに、 青年の知人の老ホームレスが急死し、遺品から彼の…

妻のオンパレード  (ねこ3.9匹)

森博嗣著。講談社文庫。 考えることは必要だと思う。何故なら、人間が生きている理由がそこにあるからだ――。空気を読まない、誤解されることにまったく抵抗がない人気作家・森博嗣の書下ろし人気エッセィ第12作。社会の仕組みから「ふともも」と「もも」の…