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捕虜収容所の死/Death in Captivity  (ねこ3匹)

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マイケル・ギルバート著。石田善彦訳。創元推理文庫

第二次世界大戦下、イタリアの第一二七捕虜収容所でもくろまれた大脱走劇。ところが、密かに掘り進められていたトンネル内で、スパイ疑惑の渦中にあった捕虜が落命、紆余曲折をへて、英国陸軍大尉による時ならぬ殺害犯捜しが始まる。新たな密告者の存在までが浮上するなか、果して脱走は成功するのか? 英国ミステリの雄が絶妙の趣向で贈る、スリル横溢の独創的な謎解き小説!(裏表紙引用)
 
数年前にブロ友さんからいただいた本。1952年の有名作品で、タイトルだけは知っていた。今新訳も出ているようだが読んだのは旧訳。訳が読みにくいということはなかったが、画像↑に上げたようにとにかく登場人物が多く、少佐中尉大尉だらけで全員を覚えるのは最後まで無理だった。。。名前でおおよそイギリス人かイタリア人か分かるぐらいで。捕虜収容所や第二次世界大戦のこのあたりの事情や仕組みがよく理解できないままだったのでそれもキツかったのと、トラップドアやトンネル内外の映像が浮かばかなったのでトリックもいまひとつ掴みきれず。じゃあ何も分かっていないじゃないかと突っ込まれるかもしれないが、まあ最後まで読み切っているのでそういうわけでもなかったりする。あんま理解したフリして感想を書くのが好きではないので正直に分からない部分が多かったと書かせていただいた。
 
全体的にはミステリーでありつつスリラーでもあるような。本格ミステリーのように推理を展開するシーンもありつつ、ドイツ軍に収容所が引き渡される前に全員を脱走させる最終章では手に汗を握る。ほったらかしにされていた裏切り者(スパイ)の正体も最後に判明したり、色々な要素が詰め込まれた作品という印象。「脱走委員会」だけじゃなく、収容所内に劇団があったりラグビーチームがあったりするのも面白いなと思った。捕虜って感じがしないね。