すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

死亡告示/Trouble in MindⅡ  (ねこ3.7匹)

ジェフリー・ディーヴァー著。池田真紀子訳。文春文庫。 故郷に出張したセールスマンが知った亡父の思わぬ真実。心理カウンセラーが戦う、人間を操る超常存在。オタクな「数学刑事」と無頼派刑事の凸凹コンビが追う奇妙な連続心中事件。そして、リンカーン・…

フルスロットル/Trouble in MindⅠ  (ねこ4.3匹)

ジェフリー・ディーヴァー著。池田真紀子訳。文春文庫。 キャサリン・ダンスの尋問が通用しないテロリスト、リンカーン・ライムの科学捜査を逆手に取る犯人!?久々登場のジョン・ペラムが爆走し、再起を懸ける中年俳優が緊迫のポーカー勝負に挑む。次から次…

人生オークション  (ねこ3.9匹)

原田ひ香著。講談社文庫。 不倫の果てに刃傷沙汰を起こして謹慎中のりり子叔母さんと、就活に失敗してアルバイトをする私。 一族の厄介者の二人は、叔母さんのおんぼろアパートの部屋にあふれるブランドのバッグから靴や銀食器、 着物までをせっせとネットオ…

そこへ行くな  (ねこ4匹)

井上荒野著。集英社文庫。 一緒に暮らす純一郎さんは、やさしい人だ。出張が多くて不在がちだけれど、一人息子の太郎をよく可愛がっている。じゅうぶんに幸せな親子三人の暮らしに、ある日「川野純一郎の本当のことを教えます」と告げる女から電話が舞い込み…

さよならの儀式  (ねこ3.2匹)

宮部みゆき著。河出文庫。 長年、一緒に暮らしてきた仲良しのロボットと、お別れの時がきた。表題作「さよならの儀式」他、親子の救済、老人の覚醒、三十年前の自分との出会い、無差別殺傷事件の真相、別の人生の模索……SFが持つ無限の可能性が宮部みゆきの…

死にがいを求めて生きているの  (ねこ4.2匹)

朝井リョウ著。中公文庫。 俺は、死ぬまでの時間に役割が欲しいだけなんだよ――日常に倦んだ看護師、承認欲求に囚われた大学生、時代に取り残されたTVディレクター。交わるはずのない彼らの痛みが、植物状態の青年・智也と、彼を見守る友人・雄介に重なるとき…

どこまでも食いついて/Gator Bait  (ねこ3.8匹)

ジャナ・デリオン著。島村浩子訳。創元推理文庫。 保安官助手カーターとの初デートを成功させたフォーチュンのもとに、アイダ・ベルとガーティの宿敵シーリアが町長に立候補したとの報が入る。三人が当選阻止に動こうとした矢先、なんとカーターが何かに狙撃…

映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形  (ねこ4匹)

稲田豊史著。光文社新書(Kindle)。 現代社会のパンドラの箱を開ける! なぜ映画や映像を早送り再生しながら観る人がいるのか――。 なんのために? それで作品を味わったといえるのか? 著者の大きな違和感と疑問から始まった取材は、 やがてそうせざるを得ない…

栞と嘘の季節  (ねこ3.9匹)

米澤穂信著。集英社。 ベストセラー『本と鍵の季節』(図書委員シリーズ)待望の続編! 直木賞受賞第一作 猛毒の栞をめぐる、幾重もの噓。 高校で図書委員を務める堀川次郎と松倉詩門。 ある放課後、図書室の返却本の中に押し花の栞が挟まっているのに気づく。 …

殺しへのライン/A Line to Kill  (ねこ4.3匹)

アンソニー・ホロヴィッツ著。山田蘭訳。創元推理文庫。 『メインテーマは殺人』の刊行まであと3ヵ月。プロモーションとして、探偵ダニエル・ホーソーンとわたし、作家のアンソニー・ホロヴィッツは、初めて開催される文芸フェスに参加するため、チャンネル…

シーソーモンスター  (ねこ3.7匹)

伊坂幸太郎著。中公文庫。 バブルに沸く昭和後期。一見、平凡な家庭の北山家では、元情報員の妻宮子が姑セツと熾烈な争いを繰り広げていた。(「シーソーモンスター」) アナログに回帰した近未来。配達人の水戸は、一通の手紙をきっかけに、ある事件に巻き…

巨大幽霊マンモス事件  (ねこ3.9匹)

二階堂黎人著。講談社文庫。 ロシア革命から数年経ったシベリア奥地。逃亡貴族たちが身を隠す<死の谷>と呼ばれた辺境へ秘密裏に物資を運ぶ<商隊>と呼ばれる一団がいた。その命知らずな彼らさえも、恐怖に陥る事件が発生! 未知なる殺人鬼の執拗な追跡、連続す…

QED 憂曇華の時  (ねこ3.7匹)

高田崇史著。講談社文庫。 安曇野・穂高の天祖神社の夏祭り直前に神楽衆の舞い手が怪死する。遺体の耳は削がれ、「S」の血文字が残されていた。数日後、二人目の被害者が。鵜飼見物に石和を訪れていた桑原崇と棚旗奈々は、友人・小松崎からの電話で事件に巻…

方舟  (ねこ4.5匹)

夕木春央著。講談社。 9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か? 大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。 翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさが…

殊能将之 未発表短篇集  (ねこ3.8匹)

殊能将之著。講談社文庫。 もはや古典とも評される「ハサミ男」を皮切りに、傑作長篇ミステリを生み出してきた殊能将之は、二〇一三年一月、急逝した。本書に収められた三つの短篇は没後に発見されたもので、ミステリ作家・殊能将之の出発点とも言うべき作品…

サスペンス作家が人をうまく殺すには/Finlay Donovan is Killing It  (ねこ4.2匹)

エル・コシマノ著。辻早苗訳。創元推理文庫。 売れない作家、フィンレイの朝は爆発状態だ。大騒ぎする子どもたち、請求書の山、撒き散らされたコーヒーの粉。もう、だれでもいいから人を殺したい気分――とはいえ、本当に殺人の依頼が舞い込むとは! レストラ…

カインは言わなかった  (ねこ3.5匹)

芦沢央著。文春文庫。 「世界の誉田(ホンダ)」と崇められるカリスマ芸術監督が率いるダンスカンパニー。 その新作公演「カイン」の初日直前に、主役の藤谷誠が突然失踪した。 すべてを舞台に捧げ、壮絶な指導に耐えてきた男にいったい何が起こったのか? 誠に…

間宵の母  (ねこ3.5匹)

歌野晶午著。双葉文庫。 小学三年生の詩穂と紗江子は親友同士だったが、紗江子の母の若い再婚相手である義父と詩穂の母が失踪、駆け落ちと見られていた。 その日から、紗江子の母の精神状態は普通ではなくなる。詩穂も父親からDVを受けるようになり、児童…