すべてが猫になる

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間宵の母  (ねこ3.5匹)

歌野晶午著。双葉文庫

小学三年生の詩穂と紗江子は親友同士だったが、紗江子の母の若い再婚相手である義父と詩穂の母が失踪、駆け落ちと見られていた。 その日から、紗江子の母の精神状態は普通ではなくなる。詩穂も父親からDVを受けるようになり、児童養護施設に入れられてしまう。 その後、二人は地獄のような人生を送ることになるのだが、実は驚くべき真実が隠されていた。デビュー30周年、著者最恐のホラー・ミステリー、待望の文庫化!(裏表紙引用)
 
歌野さんのホラーミステリー。ということだが、ミステリーというほどかな?間宵家に端を発する呪いのようなものが次々と不幸の連鎖を生んでいって破滅する…そして…。まとめるとそのような感じ、典型的なホラーだね。虐待や発狂など、刺激的で読ませる描写の連続なのはさすがの歌野さんなのだが。後半、非行少年アオが出てきたあたりから「巳代子とは実は」みたいなネタバレになっていくので、失速してしまった感じ。
 
面白いんだけどね。歌野さんにしてはちょっと軽いというか。登場人物の言動が非常識すぎてついていけなかった。状況を長々と一気に説明する人物ばかりだし、このおかしさ含めてゾっとしてください、ということなら分かるが。うーん、真面目に読んじゃった。狂気の描写がすごかったので、ストーリーがありきたりで残念。まあ、いい作家さんでもたまにはこういうのあるよね。