すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

2008-01-01から1年間の記事一覧

鳥人計画  (ねこ3.4匹)

東野圭吾著。角川文庫。 「鳥人」として名を馳せた、日本ジャンプ界を担うエース・楡井が毒殺された。捜査が難航する中、警察に1通の手紙が届く。それは楡井のコーチ・峰岸が犯人であることを告げる密告状だった。警察に逮捕された峰岸は、留置場の中で推理…

七つの死者の囁き  (ねこ3.7匹)

有栖川有栖、道尾秀介、石田衣良、鈴木光司、吉来駿作、小路幸也、恒川光太郎著。新潮文庫。 死者はそこにいる。生きている私たちの記憶の中に、夢の中に、そしてすぐ背後に。私たちを見つめ、語りかけ、時に狙っている。ひそやかで絶え間ない、死者たちの攻…

西の魔女が死んだ  (ねこ3.9匹)

梨木香歩著。新潮文庫。 中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるの…

対話篇  (ねこ3.6匹)

金城一紀著。新潮文庫。 本当に愛する人ができたら、絶対にその人の手を離してはいけない。なぜなら、離したとたんに誰よりも遠くへと行ってしまうからーー。最初で最後の運命の恋、片思いの残酷な結末、薄れてゆく愛しい人の記憶。愛する者を失い、孤独に沈…

編集者を殺せ/Murder by The Book (ねこ3匹)

レックス・スタウト著。ハヤカワ・ポケット・ミステリ。 探偵ネロ・ウルフを、事故死した娘は実は殺されたのではないかと考える父親が訪ねてきた。娘は出版社に勤める編集者で、亡くなった晩は原稿の採用を断わったアーチャーなる作家と会う約束をしていたと…

GOTH モリノヨル  (ねこ3.7匹)

乙一著。角川書店。 12月のある土曜日、森野夜はひとり殺人現場へと向かった。記念写真を撮るためにーー 書き下ろし小説100枚×新津保建秀の撮り下ろし写真で鮮やかに浮かびあがる、黒乙女の輪郭。乙一GOTH6年ぶりの最新作!(帯引用) ひえ~~、こ…

短劇  (ねこ3.7匹)

坂木司著。光文社。 ささやかな悪夢を、お目にかけましょう。……醒めないかもしれないけれど。 たとえば、憂鬱な満員電車の中で。あるいは、道ばたの立て看板の裏側で。はたまた、空き地に綴られた穴ぼこの底で。聞こえませんか。何かがあなたに、話しかけて…

虹を操る少年  (ねこ3.6匹)

東野圭吾著。講談社文庫。 「光にメロディがあるの?」「あるさ。みんな、そのことに気づいていないだけさ」。”光”を”演奏”することでメッセージを発信する天才高校生・光瑠。彼の「光楽」に、感応し集う若者たち。しかし、その力の大きさを知った大人たちの…

風が吹いたら桶屋がもうかる  (ねこ2.8匹)

井上夢人著。集英社文庫。 牛丼屋でアルバイトをするシュンペイにはフリーターのヨーノスケと、パチプロ並の腕を持つイッカクという同居人がいる。ヨーノスケはまだ開発途上だが超能力者である。その噂を聞きつけ、なぜか美女たちが次々と事件解決の相談に訪…

【新釈】走れメロス  (ねこ3.6匹)

森見登美彦著。祥伝社。 あの名作が、京の都に甦る!?暴走する恋と友情――若き文士・森見登美彦の近代文学リミックス集!その時、彼の腕を通りすがりの女性が必死で掴み、「ちょっとすいません!」と叫んだ。思わず見返した相手は驚くほどに可憐な乙女であり、…

純情期  (ねこ3.5匹)

小川勝己著。徳間書店。 それは、瑠璃子先生の真っ白な脚線を見た瞬間から始まった。中学二年・日高優作、やんちゃな下半身をもてあます思春期。おっかない体育の女先生にのぼせ上がった優作は、とつぜん体操部に入部する。熱病が本物の恋へと姿を変えたとき…

~2008すべ猫ランキングがすごい!~

みなさんこんばんは。恒例のゆきあや年末ベストテンの発表です。 ではさっそく。 昨年12月18日~今年12月20日までの読了本(再読外す)、251冊。まあいつもこんなもん。 長編部門。 第1位 『聖女の島』 皆川博子 第2位 『カラスの親指』 道尾秀…

女彫刻家/The Sculptress (ねこ3.8匹)

ミネット・ウォルターズ著。創元推理文庫。 オリーヴ・マーティンーー母妹を切り刻み、それをまた人間の形に並べて、台所に血まみれの抽象画を描いた女。無期懲役囚である彼女には当初から謎がつきまとった。凶悪な犯行にも拘らず、精神鑑定の結果は正常。し…

レインツリーの国  (ねこ4.2匹)

有川浩著。新潮社。 あなたを想う気持ちに嘘はない。でも、会うことはできません。ごめんなさい。 きっかけは「忘れられない本」。そこから始まったメールの交換。俺はあっという間に、どうしても彼女に会いたいと思うようになっていた。だが、意を決して出…

少年名探偵 虹北恭助のハイスクール☆アドベンチャー  (ねこ3.7匹)

はやみねかおる著。講談社ノベルス。 あの少年名探偵・虹北恭助がまたまたまた帰ってきた!恋のライバル(?)から出された推理問題。姿が見えないストーカー。ミステリ研究会に残された暗号。突然、人が消える城。そして怪盗Xからの犯行予告。次々起きる謎…

沈黙のあと/After Silence (ねこ4匹)

ジョナサン・キャロル著。創元推理文庫。 ぼくはいま、息子の頭に銃を突きつけて殺そうとしている。なのに彼は微笑んでさえいる。どうしてこんなことになってしまったのか。聞いてくれ。ある日めぐり会った美しい母子。父親とは別れて暮らしているという。そ…

風少女  (ねこ3.2匹)

樋口有介著。創元推理文庫。 父危篤の報を受けて帰郷した斎木亮は、中学時代に好意を寄せていた川村麗子の妹・千里と偶然に出会う。そこで初めて知った、麗子の死。事故死という警察の判断に納得のいかない二人が、同級生を訪ね、独自の調査をはじめると……。…

R・P・G  (ねこ3.7匹)

宮部みゆき著。集英社文庫。 ネット上の疑似家族の「お父さん」が刺殺された。その3日前に絞殺された女性と遺留品が共通している。合同捜査の過程で、「模倣犯」の武上刑事と「クロスファイア」の石津刑事が再会し、2つの事件の謎に迫る。家族の絆とは、癒…

流星の絆  (ねこ4.3匹)

東野圭吾著。講談社。 惨殺された両親の仇討ちを流星に誓いあった三兄妹。「兄貴、妹は本気だよ。俺たちの仇の息子に惚れてるよ」14年後―彼らが仕掛けた復讐計画の最大の誤算は、妹の恋心だった。 (あらすじ引用) うおお、これは久々の大当たり本でした…

禍記 -マガツフミ-  (ねこ3.5匹)

田中啓文著。徳間書店。 オカルト雑誌の新米編集者、恭子はホラー小説の大家、待田から「禍記」という謎の古史古伝の存在を聞かされる。そこには、歴史の闇に葬られた人類誕生以前の世界のことが書かれているという。恭子はその書物に魅かれていき…。赤ん坊…

黄金の灰  (ねこ3.8匹)

柳広司著。創元推理文庫。 1873年、オスマン・トルコの辺境、ヒッサルリクの丘。シュリーマンは、伝説の都市トロイアがこの地に実在したことを証明する、莫大な黄金を発見した。しかし、それをきっかけに、シュリーマン夫妻の周囲で不可解な事件が続発す…

海神の晩餐  (ねこ3.8匹)

若竹七海著。講談社文庫。 氷川丸一等船室から、タイタニック号沈没の際持ち出された謎の原稿が盗まれた。原稿に隠された暗号に気付いた高一郎の周りで、金髪美人の幽霊出現、死体消失、殺人未遂騒動など、次々と起こる怪事件。香港~横浜~バンクーバーまで…

迷宮百年の睡魔  (ねこ3.8匹)

森博嗣著。新潮文庫。 周囲の森が一夜にして海と化したという伝説をもつ島イル・サン・ジャック。22世紀の旅人ミチルとロイディがこの島で出会った「女王」は、かつて別の地に君臨した美しき人に生き写しだったーー。王宮モン・ロゼで発見された首のない僧…

放課後  (ねこ4匹)

東野圭吾著。講談社文庫。 校内の更衣室で生徒指導の教師が青酸中毒で死んでいた。先生を二人だけの旅行に誘う問題児、頭脳明晰の美少女・剣道部の主将、先生をナンパするアーチェリー部の主将ーー犯人候補は続々登場する。そして、運動会の仮装行列で第二の…

ガラスの麒麟  (ねこ3.6匹)

加納朋子著。講談社文庫。 「あたし殺されたの。もっと生きていたかったのに」。通り魔に襲われた十七歳の女子高生安藤麻衣子。美しく、聡明で、幸せそうに見えた彼女の内面に隠されていた心の闇から紡ぎ出される六つの物語。少女たちの危ういまでに繊細な心…

儚い羊たちの祝宴  (ねこ4.3匹)

米澤穂信著。新潮社。 ミステリの醍醐味と言えば、終盤のどんでん返し。中でも、「最後の一撃」と呼ばれる、ラストで鮮やかに真相を引っ繰り返す技は、短編の華であり至芸でもある。本書は、更にその上をいく、「ラスト一行の衝撃」に徹底的にこだわった連作…

沈底魚  (ねこ2.5匹)

曽根圭介著。講談社。 大物の沈底魚が、日本に潜っている。亡命中国外交官による衝撃情報。流出した国家機密。「眠れるスパイ」は実在するのか。公安刑事たちの極秘捜査が始まった!乱歩賞史上、もっともスリリングな公安ミステリー、堂々登場!第53回江戸…

平台がおまちかね  (ねこ3.7匹)

大崎梢著。創元クライム・クラブ。 自社本をたくさん売ってくれた書店を訪ねたら、何故か冷たくあしらわれ…、文学賞の贈呈式では、当日、会場に受賞者が現れない…!?新人出版社営業部員の井辻くんは、個性的な面々に囲まれながら、波爛万丈の日々を奮闘中。…

辛い飴  (ねこ3.9匹)

田中啓文著。東京創元社。 唐島英治クインテットの面々が遭遇した不思議な出来事や謎。テナーサックス奏者・永見緋太郎の鮮やかな名推理は―。ライヴ感溢れる文体が魅力の“日常の謎”的ジャズミステリシリーズ、第二弾。名古屋のライヴハウスに現れたという伝…

火天風神  (ねこ3.6匹)

若竹七海著。光文社文庫。 最大瞬間風速70メートル超。観測史上最大級の大型台風が三浦半島を直撃した。電話も電気も不通、陸路も遮断され、孤立したリゾートマンション。猛る風と迸る雨は、十数人の滞在客たちを恐怖と絶望のどん底に突き落としてゆく。そ…