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宮部みゆき著。集英社文庫

ネット上の疑似家族の「お父さん」が刺殺された。その3日前に絞殺された女性と遺留品が共通している。合同捜査の過程で、「模倣犯」の武上刑事と「クロスファイア」の石津刑事が再会し、2つの事件の謎に迫る。家族の絆とは、癒しなのか?呪縛なのか?舞台劇のように、時間と空間を限定した長編現代ミステリー。宮部みゆきが初めて挑んだ文庫書き下ろし。(裏表紙引用)


『「模倣犯」の武上刑事と「クロスファイア」の石津刑事が再会し』
・・・・・・。気付かなかった。。ていうか「クロスファイア」読んでないけど。

それはさておき。
なかなか手の込んだ内容で面白かったです。構成や文体、展開自体はとってもシンプルなのですが、小技の効いたミステリに仕上がっていますね。300ページと短めなのもいい。大長編でやる内容ではないな、という印象もあったので。あまり伏線については隠す気がないのか、胡散臭い記述のおかげで想像の範疇ではあったかな。インターネットという世界に開く仮想空間を使いながらも、こういう手を使えば現実との違和感もないな、と思いました。そこは宮部さんの計算ではないだろうと思うのですがだからこそ凄いかな、と。若干使っている用語が古いのでひっかかりはそれぐらいかな。

ちなみに自分は、やるゲームと言えばたいていシューティングかパズル系で、ロールプレイングはやった事がありません。だからそう思ったのかわかりませんが、毎度ながらタイトルがしっくり来てないかなと。。最後まで読んでから初めてそう思いました。