横溝正史
江戸時代からの宿場本陣の旧家、一柳家。その婚礼の夜に響き渡った、ただならぬ人の悲鳴と琴の音。離れ座敷では新郎新婦が血まみれになって、惨殺されていた。枕元には、家宝の名琴と三本指の血痕のついた金屏風が残され、一面に降り積もった雪は、離れ座敷…
八つ墓村 本陣殺人事件 獄門島 犬神家の一族 悪魔が来りて笛を吹く 人面瘡 悪魔の手毬唄
獄門島――江戸三百年を通じて流刑の地とされてきたこの島へ金田一耕助が渡ったのは、復員船の中で死んだ戦友、鬼頭千万太に遺言を託されたためであった。『三人の妹たちが殺される……おれの代わりに獄門島へ行ってくれ……』瀬戸内海に浮かぶ小島で網元として君…
戦国の頃、三千両の黄金を携えた8人の武者がこの村に落ちのびた。だが、欲に目の眩んだ村人たちは8人を惨殺。その後、不詳の怪異があい次ぎ、以来この村は「八つ墓村」と呼ばれるようになったというーー。大正○年、落人襲撃の首謀者田治見庄左衛門の子孫、…