すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

2024-09-01から1ヶ月間の記事一覧

死の蔵書/Booked to Die (ねこ3.7匹)

ジョン・ダニング著。宮脇孝雄訳。ハヤカワ文庫。 十セントの古本の山から、数百ドルの値打ちの本を探しだす-そんな腕利きの"古本掘出し屋"が何者かに殺された。捜査に当たった刑事のクリフは、被害者の蔵書に莫大な価値があることを知る。貧乏だったはずな…

あいにくあんたのためじゃない  (ねこ3.6匹)

柚木麻子著。新潮社。 過去のブログ記事が炎上中のラーメン評論家、夢を語るだけで行動には移せないフリーター、もどり悪阻とコロナ禍で孤独に苦しむ妊婦、番組の降板がささやかれている落ち目の元アイドル……いまは手詰まりに思えても、自分を取り戻した先に…

無人島ロワイヤル  (ねこ3.8匹)

秋吉理香子著。双葉社。 「無人島に3つ持っていくとしたら?」 初夏の夜、この定番の他愛ない話題で盛り上がっていたバーの常連たちは、マスターの告げた一言でさらに沸く。 「俺、無人島持ってるよ」。 かくして、彼らは3つのアイテムのみを手に無人島を…

禍  (ねこ3.8匹)

小田雅久仁著。新潮社。 「俺はここにいると言ってるんだ。いないことになんかできねえよ」。恋人の百合子が失踪した。彼女が住むアパートを訪れた私は、〈隣人〉を名乗る男と遭遇する。そこで語られる、奇妙な話の数々。果たして、男が目撃した秘技〈耳もぐ…

壁から死体? 〈秘密の階段建築社〉の事件簿/Under Lock & Skeleton Key  (ねこ3.6匹)

ジジ・パンディアン著。鈴木美朋訳。創元推理文庫。 合言葉を唱えると現れる読書室や、秘密の花園へのドアが隠された柱時計。そんな仕掛けに特化した工務店〈秘密の階段建築社〉が、テンペスト・ラージの実家の家業だ。イリュージョニストとして活躍していた…

QED 神鹿の棺  (ねこ3.6匹)

高田崇史著。講談社文庫。 茨城県山中の寂れた神社で大瓶に入った白骨死体が発見される。 その話を友人の小松崎から聞いた桑原崇は、由緒不明の神社の祭神に興味を抱き、茨城へ。 彼らが現地に到着する前に新たな遺体が瓶のなかから発見されたという報せが。…

残照の頂 続・山女日記  (ねこ3.5匹)

湊かなえ著。幻冬舎文庫。 亡き夫への後悔を抱く女性と、人生の選択に迷う会社員。失踪した仲間と、共に登る仲間への、特別な思いを胸に秘める音大生。娘の夢を応援できない母親と、母を説得したい山岳部の女子大生。……日々の思いを嚙み締めながら、一歩一歩…

ボタニストの殺人/The Botanist  (ねこ4匹)

М・W・クレイヴン著。東野さやか訳。ハヤカワ文庫。 生放送のトーク番組で、女性蔑視の持論を展開していた自称ジャーナリストの男性が突然倒れ、搬送先の病院で死亡した。男性は脅迫状を受け取っており、警察は殺人事件として捜査を開始する。そのころ、ポー…

イデアの影  (ねこ3.8匹)

森博嗣著。中公文庫。 この世は、すべて幻なのです。現実なんてものはない。ただ、映っている影だけが見える。そうではありませんか?――主人と家政婦との三人で薔薇のパーゴラのある家に暮らす「彼女」。彼女の庭を訪れては去っていく男たち。知覚と幻想のあ…

僕の神さま  (ねこ3.9匹)

芦沢央著。角川書店。 僕たちは何かトラブルが起きると、同級生の水谷くんに相談する。例えば友だちから意地悪されたら、運動会で出たくない競技があったら、弟が迷子になっても……。学校中のみんなから頼りにされる名探偵。彼が導き出す答えに決して間違いは…