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残照の頂 続・山女日記  (ねこ3.5匹)

湊かなえ著。幻冬舎文庫

亡き夫への後悔を抱く女性と、人生の選択に迷う会社員。失踪した仲間と、共に登る仲間への、特別な思いを胸に秘める音大生。娘の夢を応援できない母親と、母を説得したい山岳部の女子大生。……日々の思いを嚙み締めながら、一歩一歩山を登る女たち。山頂から見える景色は、苦くつらかった過去を肯定し、これから行くべき道を教えてくれる。(裏表紙引用)
 
前作「山女日記」がとても良かったので、続編の文庫化を楽しみにしていた。のだが。なぜだろう、こちらはどの作品もあまり自分にハマらなかったな。。登山に全く興味がない(これを読み終わってさえも)ので、出てくる固有名詞の読み方をいちいち確認するのが億劫だった(中盤からはもう固有名詞を読まなくなった)のもあるが、それを言っちゃあ前作だって同じだったはずだし。なんか今回は、山女や山ガールの驕りが押し付けがましく感じたなあ~~。
 
基本的には、夫婦や母娘、友人同士という近しい人間関係の縺れをほどいたり、人生で足踏みをしてしまっている人や過去の後悔が山に登ることで色々な気づきを得て晴れ晴れとした気持ちに生まれ変わる、、みたいな構成かな。そういう人間のありのままの姿を描かせたらなかなか右に出る者はない、と私は湊さんに対してそう思っている。ただ白湊でも黒湊でもなかったのでノリ方が分からなかったかな~~。
まあ、私、海派なんで。