2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧
自分が若い頃読んで来た作家で、森村誠一を外す事は出来ません。この方も、80年代から現代に かけて「社会派」として活躍しておられる作家さんで、その膨大な作品群には目をみはるものが あります。森村氏は『高層の死角』で第15回江戸川乱歩賞を受賞さ…
三崎亜記著。集英社。 ある日届いた「となり町」との戦争の知らせ。僕は町役場から敵地偵察を任ぜられた。だが音も光も 気配も感じられず、戦時下の実感を持てないまま。それでも戦争は着実に進んでいたーー。シュール かつ繊細に、「私たち」が本当に戦争を…
金城一紀著。角川書店。 大手家電メーカー経理部部長・鈴木一47歳。東京生まれ東京育ちの平凡なサラリーマン。 繰り返しの平凡な毎日、会社と家との往復。そんな半径1メートルの中で生きて来た彼の身に 突然異変が起こる。一人娘の遥が、ボクサーの高校生…
高野和明著。講談社。 「6時間後に君は死ぬ」。街で出会った見知らぬ青年に予言をされた美緒。信じられるのは誰なのか。 「運命」を変えることはできるのか。稀代のストーリーテラーが放つ、緊迫のカウントダウン・ ミステリー。(帯より) 先日『13階段…
オールタイムベストで唯一の上下巻本。かつて一世を風靡したアメリカのミリオンセラー作家・ シドニィ・シェルダンを登場させてしまいました。昨年の1月に肺炎のため亡くなられたという ニュースはまだ記憶に新しく、今でこそ「よく読んだ懐かしい作家」で…
桐野夏生著。新潮文庫。 自分は少女誘拐監禁事件の被害者だったという驚くべき手記を残して、作家が消えた。黒く汚れた 男の爪、饐えた匂い、含んだ水の鉄錆の味。性と暴力の気配が満ちる密室で、少女が夜毎に育てた 毒の夢と男の欲望とが交錯する。誰にも明…
恒川光太郎著。角川書店。 十一月七日、水曜日。女子大生の藍は、秋のその一日を何度も繰り返している。毎日同じ講義、毎日 同じ会話をする友人。朝になれば全てがリセットされ、再び十一月七日が始まる。彼女は何のために 十一月七日を繰り返しているのか。…
森見登美彦著。幻冬舎。 糺ノ森に住む狸の名門・下鴨家の父・総一郎はある日、鍋にされ、あっけなくこの世を去って しまった。遺されたのは母と頼りない四兄弟。長兄・矢一郎は生真面目だが土壇場に弱く、 次兄・矢二郎は蛙になって井戸暮らし。三男・矢三郎…
この企画がもし20位からであったなら「ずいぶん下」、30位だったら「わりと上」にランクイン した感じになるなあ、と一人で想像中。 この作品は自分にとって良過ぎ面白過ぎて、「早く再読したい」がために下位に入れちまおう、という 誘惑があっても見事…
着実に進んでおりますオールタイムベスト。このあたりは順位が入れ替わっても違和感がないのですが、 なぜか10の位が「1」のところに乙一を入れたいという欲求が。 本書は今ではすっかり国民的人気作家となった乙一氏の長編大ヒット作。初読時はそれほど…
巷でムーブメントとなっているらしいゆきあやオールタイムベスト、遂に(やっと)20位~に 突入しました。さて、過去ベストを振り返ってみるに、やはり人気が集まるのは「現在入手しやすく、 ミステリファン一般に知られた作家」のようです。皆さんは優し…
黒田研二著。講談社ノベルス。 「新しい教室で待ってます」ーー呼び出しメールの発信者は25日前に自殺を図り、意識不明の 重体で入院中のクラスメイト・麻帆だった。不審に思いながらも教室に集まる男女6人。消えた 携帯電話、移動した教卓、教室に転がる…
2ヶ月半でやっと10冊……(;^^A 許して下さい。。ちょっとペース上げる予定なんで。 さて、そこのミステリ好きの貴方。ならば貴方はルパンがお好きですね? では、貴方はルパンと言えば『奇巌城』?それとも『813』? ……と言うくらい、ルパンのベス…
辻村深月著。講談社。 「これから、俺たちの学年の生徒が一人、死ぬ。ーーー自殺、するんだ」 「誰が、自殺なんて」 「それがーーきちんと覚えてないんだ。自殺の詳細」 不可思議なタイムスリップで三ヶ月先から戻された依田いつかは、これから起こる”誰か”…
道尾秀介著。光文社。 結成14年のアマチュアロックバンドが練習中のスタジオで遭遇した不可解な事件。浮かび上がる メンバーの過去と現在、そして未来。亡くすということ。失うということ。胸に迫る鋭利な ロマンティシズム。注目の俊英・道尾秀介の、鮮烈…
P・シニアック著。中公文庫。 フランスのとある田舎町のレストラン、その食卓に”狩人風ウサギ料理”が供された夜、必ず若い女が 殺される。犠牲者のかたわらにはいつも一本の扇が……。”食”と”性”に異様な情熱を傾ける町の 人々を脅かすこの奇妙な謎、その信じ…
綾辻行人著。角川文庫。 ミステリ作家の「私」が住まう“もうひとつの京都”の裏側に潜み、ひそかに蠢動しつづける秘密めいたものたち。古い病室の壁に、丘の向こうの鉄路に、長びく雨の日に、送り火の夜に…面妖にして魅惑的な怪異の数々が「私」の(そして読者…
やっとゆきあやランキングらしくなって来ました。好きな人は嵌まったら抜けられない、嫌いな人は 罵詈雑言、新本格第2世代の問題児・麻耶雄嵩氏のデビュー作の登場です!(ここで拍手よろしく) 実は本書、ランキングに入れようかどうしようか最後まで悩み…
オールタイムベスト第23位はランキング初の”犯罪小説”です。さてさて実施中のこの企画、 予想外に多くの方から賛同のコメントを頂けたり、実際に紹介した本を読んで頂けたり、と 当初のユルい意気込みを払拭しなくてはいけないな、と思える事態になりまし…