すべてが猫になる

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ナナフシの恋  (ねこ3.7匹)

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黒田研二著。講談社ノベルス


「新しい教室で待ってます」ーー呼び出しメールの発信者は25日前に自殺を図り、意識不明の
重体で入院中のクラスメイト・麻帆だった。不審に思いながらも教室に集まる男女6人。消えた
携帯電話、移動した教卓、教室に転がる消化器など自殺未遂現場に残された数々の謎。自分たちを
集めたのは……?事件の真相に同級生たちが迫る!(裏表紙引用)




くろけん応援団チアリーダーとしては屈辱の図書館借りプラス痛恨の出遅れ。
応援団の評価はさていかに。と思えばあまり今回は振るわなかった模様ですね。

チアリーダーとしては、(しては?^^;)なかなか面白かったのではないかと思うのですが。
先日読んだ米澤さんの『インシテミル』や、数々読んで来たミステリ・フロンティアの新人さん
などと思わず比べてしまったのです。それは人物描写。たった6人、されど6人。
出てから瞬間に、こいつは青、ピンク、黄色、赤、黒、というように個性がはっきりと際立ち、
発言の一つ一つが「こいつらしい」のは凄いと思いませんか。何より読みやすい。
ページ数が少ないのも成功で、読者が飽きる前にさっさと解決に導いて行くのもさすが。
リアリティについては、チアリーダーは女子校だったのでいまいちわかりませんねん^^;

くろけんと言えばめくるめくどんでん返しと伏線拾いの楽しさが醍醐味だと思うのですが、
チアリーダー的には「硝子細工のマトリョーシカ」系は苦手なのでこれぐらいの密度でも
物足りなさはありません。
気に入ったのは、意外と意外性のない真相と思いきや、それとは別の要素でこれまた
驚きの、はっきり言って趣味の悪い事実があったことです。いやあ、西尾維新のアレみたいに
チアリーダーはこういうネタが好きだという事が判明しましたねえ。

惜しむらくは、ラストのラストで6人全員の存在が生かせなかった事(致命的だろ)と、
携帯電話の謎がいまいち腑に落ちなかった事ですかね。

いやあ、でも楽しく読めました。少なくとも「結婚なんてしたくない」よりは余程
良かったのではないかと。という事で今回は締めましょう。
応援団の皆様、これぐらいは書こうぜ^^v