すべてが猫になる

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2006-05-01から1ヶ月間の記事一覧

一の悲劇 (ねこ3匹)

祥伝社文庫。法月綸太郎シリーズです。第5弾? 誤認誘拐!山倉史郎の妻の元へかかって来た一本の電話。それは、山倉の息子を 誘拐した、というものだった。しかし、息子の隆史は家でぴんぴんしている。 どういう事だろう?山倉が混乱し要領を得ない妻のもと…

気分は名探偵 ー犯人当てアンソロジーー

我孫子武丸、有栖川有栖、霧舎巧、貫井徳郎、法月綸太郎、麻耶雄嵩による 豪華アンソロジー。2005年『夕刊フジ』に連載されていたもの。 最後には、著者当て懸賞もついていてお得な?1冊。 ブログ仲間の皆様はもう読まれた方も多くて、感想もそれぞれ拝…

スタイルズ荘の怪事件/The Mysterious Affair at Styles (ねこ4匹)

旧友の招きでスタイルズ荘を訪れたヘイスティングズは、到着早々事件に巻き込まれた。 屋敷の女主人が毒殺されたのだ。難事件調査に乗り出したのは、ヘイスティングズの親友で、 ベルギーから亡命して間もない、エルキュール・ポアロだった。 「灰色の脳細胞…

恐ろしき錯誤 (ねこ4.3匹)

火事により焼死した妻、妙子の死に疑念を抱く北川氏。疑うべきは、元学友の野村氏である。 野村氏とは妙子を巡って確執があり、友人とは仮の姿・お互いに忌み嫌っていた。 北川氏の恐ろしい復讐とは!?(短編) 「恐ろしき錯誤」ーー。このタイトルを聞いた…

邪魔 (ねこ3.8匹)

奥田英朗著。講談社文庫。 所轄勤務の警部補・九野薫は7年前に妻を交通事故で亡くした。それ以来、不眠に 悩まされる日々を送る。現在、同僚である花村の素行調査に明け暮れ、女がらみで 逆恨みを受けていた。そんな折に発生した株式会社ハイテックス放火事…

八つ墓村  (ねこ4匹)

戦国の頃、三千両の黄金を携えた8人の武者がこの村に落ちのびた。だが、欲に目の眩んだ村人たちは8人を惨殺。その後、不詳の怪異があい次ぎ、以来この村は「八つ墓村」と呼ばれるようになったというーー。大正○年、落人襲撃の首謀者田治見庄左衛門の子孫、…

もつれっぱなし (ねこ3.8匹)

井上夢人著。講談社文庫。 冬眠から復活した井上氏のちょっと変わった6編収録の連作短編集。 4月に待望の文庫化。早速出版社では現在在庫切れになっていた。 何が変わっているかと言うと、ここに収録された物語は全て「男女の会話」だけで 構成されている…

時生 (ねこ4.2匹)

講談社文庫。 不治の病を患う息子に最期のときが訪れつつあるとき、宮本拓実は妻に、 二十年以上前に出会った少年との想い出を語りはじめる。どうしようもない 若者だった拓実は、「トキオ」と名乗る少年と共に、謎を残して消えた恋人・千鶴の 行方を追った…

ある閉ざされた雪の山荘で (ねこ4匹)

講談社文庫。 オーディションに合格した劇団員たち男女7名は、演出家・東郷の招待を受け 乗鞍高原のペンションに集合した。彼ら以外に何者もおらず、殺人劇の 舞台稽古が始まる。設定は、「豪雪に襲われた孤立した山荘」。外界と コンタクトを取ればオーデ…

一枚の切符 (ねこ4.3匹)

一介の書生である左右田五郎が飲み屋で語り出した話。 ーー町の外れ、富田博士邸裏の鉄道線路で博士夫人が列車に轢き殺された。 登場したのは名探偵と呼び声高い黒田刑事、夫人の懐中から出て来た遺書、 足跡などから犯人は富田博士だと指摘。 そこで登場し…

黄金蝶ひとり (ねこ4.3匹)

太田忠司著。講談社ミステリーランド。 五年生の夏休み、両親がキプロスへ旅行することになった。洸(タケシ)は 両親のすすめで記憶に残っていない祖父・白木義明の住む茶木村で過ごすことに。 アサギマダラという黄金の蝶、鍾乳洞、山を守る「テツ」。祖父…

二銭銅貨 (ねこ4匹)

下駄屋の2階に住む松村武と「私」は、貧乏暮らし。最近世間を騒がせた 泥棒事件を羨ましがっていた。泥棒はあっさり捕まったが、盗んだ五万円のありかは ガンとして話さない。 そんなある日、松村は奇妙な暗号文を持ち帰り、一人謎と格闘するがーー。 デビ…

ブードゥー・チャイルド (ねこ3.7匹)

角川文庫。 日下部晃士、15歳。父子家庭だった彼は、母子家庭で同い年の麻衣と4年前 家族になった。ある日、医者である父あてに謎の電話がかかってくる。電話の主である 堀井キンと名乗る女性は、「私たちの子供について話がしたい」と言うのだ。 父が浮…

陽気なギャングの日常と襲撃 (ねこ3匹)

祥伝社ノン・ノベル。 前作、『陽気なギャングが地球を回す』の続編です。 人間嘘発見器の成瀬、演説の達人響野、正確無比な体内時計の持ち主雪子、 スリの天才久遠。それぞれが織りなす日常のささいな事件。 そして、前半でばらまかれた伏線は、4人組の巻…

ナイフが町に降ってくる (ねこ1.6匹)

祥伝社文庫。 女子高生の真奈は、英語教師の杉村に恋していた。彼の自宅が判明し、真奈は 彼が毎日出没する商店街で偶然を装った出会いを画策する。 実行間際、なんと真奈以外の周囲の時間が「停止」してしまう。絶句してる間に、 真奈と同じく停止していな…

Yの構図 (ねこ3.5匹)

光文社文庫。吉敷シリーズ第6弾。 昭和61年、上野駅の隣接するホームに相前後して到着した上越、東北新幹線の 中から、女と男の服毒死体が発見された!男は盛岡の中学教師、女はその教え子の 母親であった。2つの死体の側にはなぜか花束が…。自殺か?他…

幻想運河 (ねこ2.5匹)

講談社文庫。 シナリオライターの卵、恭司がアムステルダムで遭遇したバラバラ殺人事件。 在外日本人社会の濃密で澱んだ空気が生んだ犯罪が、不思議な糸で大阪の殺人に つながってゆく……。ふたつの水の都をいろどる、奇怪な薔薇のイメージは なにを意味する…

最悪 (ねこ5匹)

奥田英朗著。講談社文庫。 バブルがはじけ、不況の煽りを食った鉄工所社長の川谷は、工場が立てる騒音への 住民からの苦情と、取引先との軋轢などに頭を抱えていた。 銀行員の藤崎みどりは、妹の非行と会社でのセクハラ、人間関係に悩んでいた。 孤独な二十…

どちらかが彼女を殺した (ねこ4.5匹)

講談社文庫。 平凡で孤独な園子は、画家志望の潤一と出会い、交際を始めた。その後、親友の 佳世子に潤一を紹介する。それが悲劇の始まりだったーー。 最愛の妹(園子)が自殺に偽装され、彼女の部屋で殺された。愛知県警、交通課に 所属する兄の和泉康正は…

ねむりねずみ (ねこ2匹)

近藤史恵著。創元推理文庫。 妖艶に繰り広げられる歌舞伎の世界。 第一幕は歌舞伎役者中村銀弥が、「言葉が頭から消えて行く」という 原因不明の症状を訴える。妻である一子は、自らの不貞に後ろめたさを感じながらも 夫を気遣う。 第二幕は上演中の劇場、客…

密室ロジック (ねこ3匹)

講談社ノベルス。 「氷川透シリーズ」第4弾。 今回は氷川君が(記事文章上ややこしいので作者を「氷川さん」キャラの方を「氷川くん」と 明記します)完全な安楽椅子探偵役として活躍。 前半が登場人物(ソフト会社+パソコンメーカー会社の人々)達それぞ…

鉤/The Hook (ねこ3.7匹)

ドナルド・E・ウェストレイク著。文春文庫。1993年「このミス」第5位作品。 中堅作家のウェインは、二十年ぶりに同業者であるブライスと再会した。 ウェインは売れない冴えない作家、対してブライスはベストセラー作家であった。 ウェインは作品はある…

ふたり探偵 ー寝台特急「カシオペア」の二重密室ー (ねこ4.1匹)

光文社カッパ・ノベルス。「ふたり探偵」シリーズ第1弾。 刑事であるキョウジと婚約した友梨たち取材班は、北海道での取材の帰りに 寝台特急<カシオペア>に乗った。一方、友梨の同僚であるオタクの耕平は 旅行直前に行方不明になっている。 世間では、「…

嫌われ松子の一生 (ねこ4.3匹)

山田宗樹著。幻冬舎文庫。 30年前。国語教師だった川尻松子は、ある事件をきっかけに解雇された。 それから風俗嬢、ドラッグ、刑務所とエリート人生から転落していく松子の 波瀾万丈の人生。 現在、50代となった松子が他殺体で発見される。松子を殺した…

ぼくのミステリな日常 (ねこ4.7匹)

若竹七海著。創元推理文庫。 デビュー作です。12本+プロローグ&エピローグ、もう1本。連作短編集ですが これは連作長編というのが正確でしょうか。 本作の感想をネタバレなしに書くというのは結構ハードル高いぞ、と 気合いを入れて挑戦してみます。(…

火車 (ねこ4.5匹)

新潮文庫。1993年山本周五郎賞受賞作。 息子と二人暮らしである刑事の本間俊介は、足を負傷し休職していた。そこへ、 遠縁である栗坂和也がただならぬ様子で相談を持ちかけて来た。 婚約者の関根彰子が突然失踪したので捜してくれと言う。和也は銀行勤め…

芙路魅 (ねこ3.4匹)

積木鏡介著。講談社ノベルス。 3人の幼児の腹を切り裂いた怪物が19年後に蘇った。いわくつきの屋敷の地下室には 臓腑をさらした幾多の死体。警察が包囲する中、犯人はどこに消えたのか。謎の中心には 不幸に取り憑かれた芙路魅という少女が。酸鼻きわまる…

雪密室 (ねこ1.7匹)

講談社文庫。法月綸太郎シリーズ第1弾でしょうか。(疑問形はやめろ?) 休暇を取り、篠塚真棹からの招待状を受け取った法月警視は、 井賀沼の「月蝕荘」へ赴いた。彼を地へ向かわせた理由には、警視の隠された私情と 上部からの命令があるようだ。 月蝕荘…

珊瑚色ラプソディ (ねこ2.9匹)

岡嶋二人著。講談社文庫。 シドニー(オーストラリア)から1年半ぶりに帰国した里見は、婚約者の彩子が 沖縄旅行中に盲腸で倒れ入院したことを知る。早速病院に駆けつけた里見だが、 彩子は2日間の記憶を失うという軽い健忘症になっていた。一緒に旅行して…

あくむ (ねこ3匹)

井上夢人著。集英社文庫。 「夢か現実か」を共通テーマとした、5編収録のホラー短編集です。 井上氏の作品は、長編しか読んだ事がありません。 短編集でホラーともなればさぞや新鮮であろう、と期待は高まりつつ 不安があったのも事実。 と言うのは、 井上…