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時生 (ねこ4.2匹)

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講談社文庫。

不治の病を患う息子に最期のときが訪れつつあるとき、宮本拓実は妻に、
二十年以上前に出会った少年との想い出を語りはじめる。どうしようもない
若者だった拓実は、「トキオ」と名乗る少年と共に、謎を残して消えた恋人・千鶴の
行方を追ったーー。
(お疲れなので裏表紙引用、すいません)


感動したぜーーーーーーー!! ←誰や
この最後の台詞は必殺ですわ。ああ、今日も涙で目が曇る。。

とか言いつつ、今はじめて「あらすじ」を清書?してみて気付いた事があります。
「あ、こんなお話だったのか」。と。私はあまりあらすじを読まないので
自分の期待や予想と外れたストーリー内容だった、という事がよくあるんです。
実は本作もそうでした。一応、「ベタだけど感動する名作」という前知識はありましたが。
「こっち」に重点をおいた話を期待してしまったのです。現在の時生と、両親の物語かと。
そのためか、あまりストーリーにぐぐっと入り込めなかった。

おかげさまで、←?^^;終盤で慌てて感動する、といった事態になりました。。
「え、どうしよう、終わってしまうぞ、感動しなくては!」という感じでしょうか。
こんな読み方ってありますか。ほんと自己嫌悪です。ほら、前知識があっただけにね。
感動しようと思って読みましたから。それもどうなんだ。。

いや、でも良かったですよこれ。
親子の絆が痛いほど上手に描かれてましたし、時生の最後の行動も
「それやっちゃったらどうなるんだ?」という疑問が結末には霧のように消えましたね。

「この行動」込みで、歴史。……ですよね。
ああ、やっぱいい本だなこれ。