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ふたり探偵 ー寝台特急「カシオペア」の二重密室ー (ねこ4.1匹)

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光文社カッパ・ノベルス。「ふたり探偵」シリーズ第1弾。


刑事であるキョウジと婚約した友梨たち取材班は、北海道での取材の帰りに
寝台特急カシオペア>に乗った。一方、友梨の同僚であるオタクの耕平は
旅行直前に行方不明になっている。
世間では、「シリアルキラーJ」と名乗る猟奇殺人魔が闊歩しており、
耕平の失踪とも関係があるようだ。
そして、その「J」を追っていたキョウジは耕平と共にJに監禁され、
友梨は<カシオペア>の取材班の中に、Jの標的がいる事を知らされる。
その後、キョウジは罠にかかり意識不明の重体に。心配する友梨だったが、
彼女の身体に異変が!


愛するくろけんのシリーズもの。
私も非公認「くろけん応援団」のチアリーダーとして名前が売れて来た昨今、
調子に乗りまくりの褒め言葉と、欠点ですら美点に変えてしまうこのキーボードさばきで
今日もくろけん街道を驀進することをお約束いたします。


「ふたり探偵」というのはこの二人の事だろう、と思いきや、いや、やっぱりそうなんですが
まさかこういう事とは。よくある設定ですが、この設定で探偵をする、というのは
新しいバリエーションではないでしょうか?なめてんのか、という意見は出ないはずです。
この設定だからこそこのミステリに生きたのですからね。
しかも、このコンビの好感度は高かったです。ベタすぎず、一番憧れる関係ではないかしら。
辛い状況も、くろけんが書くとやはり温かさを感じます。何度も言いますよ、ええ。
これは一種の試練であり、悲惨な結末は絶対用意されていないという
どこから来るのかわからない私のこの自信。
何がお気に入りかって、まずここです。

トリックは、正直「ふーん」。
このネタに近いもの、前もくろけんやってたなあ、でもこれも面白いなあ、というぐらい。
犯人も、「へーえ」。
全体的に事件の内容、背景、捜査の描写が薄いためこんなもんかな、と思う。
伏線がたくさん。ここもお気に入りの一つ。

だって、くろけんならではの仕掛けがあるんですもの。密室のトリックなんて
この真相の前座かも。捜査の書き込みの薄さも、「ふたり」の物語に焦点を合わせた
作品だと思えば文章量なんて目の前を廻る蚊より気にならない。
(どうです、このキーボードさばき)


群を抜いているとか、別格だとかそんなことは思っちゃいません。
単純にこの作家が好きなんですよう~~~~

ああ、今日の記事めちゃくちゃだ。絶対明日恥ずかしいぞ自分。