すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

そこに無い家に呼ばれる  (ねこ3.9匹)

三津田信三著。中央公論新社。 もし何かが「一つずつ減っている」または「増えている」と感じたら、この読書を中止してください。 今回、編集者・三間坂の家の蔵から発見されたのは、厳重に封印が施された三つの記録。それらはすべて「家そのものが幽霊」だ…

フシギ  (ねこ3.8匹)

真梨幸子著。角川書店。 ラスト10ページ、戦慄のどんでん返し! 作家の私のもとに、死んだはずの担当編集者から不思議なメールが届いた。 意識不明の時に三人の女が“お迎え”に来たというもので、一人目と二人目は亡くなった親族、三人目は誰だか分からないと…

大雑把かつあやふやな怪盗の予告状 警察庁特殊例外事案専従捜査課事件ファイル (ねこ3.7匹)

倉知淳著。ポプラ社。 ミステリ小説みたいな事件なんて、現実にはそうそう起きたりしない。 殺人事件の犯人はだいたい怪しい人間だし、犯行現場の指紋を偽装するヤツなんてめったにいない。世に起きる事件の98%は一般的な事件であり、優秀な日本の警察によっ…

汝、星のごとく  (ねこ4.2匹)

凪良ゆう著。講談社。 ーーわたしは愛する男のために人生を誤りたい。 風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。 ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして…

27000冊ガーデン  (ねこ3.8匹)

大崎梢著。双葉社。 星川駒子は県立高校の図書館に勤める学校司書だ。たまたま居合わせた出入りの書店員・針谷敬斗と共に、生徒が巻き込まれた事件の解決に一役買う。 そんな二人のもとには、ディスプレイ荒らしや小口ずらり事件など、図書館や本にまつわる…

ウェッジフィールド館の殺人/Murder at Wedgefield Manor  (ねこ3.7匹)

エリカ・ルース・ノイバウアー著。山田順子訳。創元推理文庫。 ジェーンは英国の領主屋敷に滞在していた。一緒に旅行している叔母が館の主である男爵とかつて恋仲で、ふたりの間に生まれた娘が男爵の養女になっていたのだ。そんな館の使用人が車の事故で死亡…

赤と青とエスキース  (ねこ3.9匹)

青山美智子著。PHP研究所。 2022年本屋大賞 第2位!! 2021年本屋大賞2位『お探し物は図書室まで』の著者、新境地にして勝負作! メルボルンの若手画家が描いた一枚の「絵画(エスキース)」。 日本へ渡って三十数年、その絵画は「ふたり」の間に奇跡を紡いでいく…

1ミリの後悔もない、はずがない  (ねこ3.7匹)

一木けい著。新潮社。 ネクストブレイクはこの作家! 心揺さぶる恋を描く鮮烈なデビュー作。 「俺いま、すごくやましい気持ち……」わたしが好きになったのは、背が高く喉仏の美しい桐原。 あの日々があったから、そのあと人に言えないような絶望があっても、わ…

踏切の幽霊  (ねこ3匹)

高野和明著。文藝春秋。 第169回直木三十五賞候補作 『ジェノサイド』の著者、11年ぶりの新作! マスコミには決して書けないことがある―― 都会の片隅にある踏切で撮影された、一枚の心霊写真。 同じ踏切では、列車の非常停止が相次いでいた。 雑誌記者の松田…

可燃物  (ねこ4匹)

米澤穂信著。文藝春秋。 余計なことは喋らない。上司から疎まれる。部下にもよい上司とは思われていない。しかし、捜査能力は卓越している。葛警部だけに見えている世界がある。 群馬県警を舞台にした新たなミステリーシリーズ始動。連続放火事件の“見えざる…