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踏切の幽霊  (ねこ3匹)

高野和明著。文藝春秋

第169回直木三十五賞候補作 『ジェノサイド』の著者、11年ぶりの新作! マスコミには決して書けないことがある―― 都会の片隅にある踏切で撮影された、一枚の心霊写真。 同じ踏切では、列車の非常停止が相次いでいた。 雑誌記者の松田は、読者からの投稿をもとに心霊ネタの取材に乗り出すが、 やがて彼の調査は幽霊事件にまつわる思わぬ真実に辿り着く。 1994年冬、東京・下北沢で起こった怪異の全貌を描き、 読む者に慄くような感動をもたらす幽霊小説の決定版!(紹介文引用)
 
11年ぶりの新刊と聞いて驚いた。「ジェノサイド」がそんなに前という印象がない。というかもっと驚いたのが「直木賞候補作」という事実なんだけど。。
 
1994年、小田急線下北沢3号踏切でたびたび目撃される身元不明の女性の幽霊。女性は何者かに殺害され、自力で踏切までたどり着きこと切れたとみられる。記者の松田は心霊特集のネタ集めのため調査に乗り出すが――。
 
う~ん。。高野さんだからと期待しすぎた。本当に幽霊なんだね。ホラーだと知らずに読んだ自分にも問題はあるかもしれないが、本当に起きたことが見えているままの真相っていうのがなんだかな。そりゃ当然殺される女性の生い立ちや境遇に悲しいドラマはあるだろう。政治的なしがらみと関連があることも予想の範囲内だし、その動機もひねりがなくて。。昭和の作品って感じ、この時代に読まれるべき一定の水準を満たしているとは思えない。デビュー作からファンなんだけどなあ。