すべてが猫になる

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2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ぬるくゆるやかに流れる黒い川  (ねこ3匹)

櫛木理宇著。双葉社。 六年前、ともに家族を無差別殺人でなくした同級生の小雪が香那の前に突然姿を見せた。 犯人・武内譲が拘置所で自殺したため、犯行動機等が不明なままの事件を 改めて調べようと誘ってきたのだ。香那たちは事件を追うごとに 世代を越え…

地雷グリコ  (ねこ4.4匹)

青崎有吾著。角川書店。 射守矢真兎(いもりや・まと)。女子高生。勝負事に、やたらと強い。 平穏を望む彼女が日常の中で巻き込まれる、風変わりなゲームの数々。罠の位置を読み合いながら階段を上ったり(「地雷グリコ」)、百人一首の絵札を用いた神経衰弱に…

サーカスから来た執達吏  (ねこ4.2匹)

夕木春央著。講談社文庫。 大正14年。借金に苦しむ樺谷子爵家に意外な取立て人がやってきた。ユリ子と名乗るその少女は「財宝探し」による返済と、子爵の三女・鞠子を担保として預かることを提案する。財宝の在り処は?そして、14年前の未解決事件の真相…

ノストラダムス・エイジ  (ねこ3.5匹)

真梨幸子著。祥伝社。 呪われし1999年7月生まれ―― 東京郊外で発見された15人の遺体。胸に抱かれた預言書には、「人類滅亡の章」にしおりが挟まれていた。当初は集団自殺とみられたが、他殺の可能性が浮上。被害者には、1999年7月生まれのオカルト好きが集ま…

受験生は謎解きに向かない/Kill Joy  (ねこ4匹)

ホリー・ジャクソン著。服部京子訳。創元推理文庫。 高校生のピップにある招待状が届いた。試験が終わった週末、友人宅で架空の殺人の犯人当てゲームが開催されるという。舞台は1924年、孤島に建つ大富豪の館という設定で、参加者は同級生とその兄の7人。開…

むかしむかしあるところに、死体があってもめでたしめでたし。 (ねこ4匹)

青柳碧人著。双葉社。 一世を風靡したといっても過言ではない、日本のむかしばなしをミステリーで読み解いた『むか死』シリーズの最新刊にして最終巻。 あっと驚くミステリーのもとになったむかしばなしは「こぶとりじいさん」「耳なし芳一」「舌切人雀」「…

人間に向いてない  (ねこ3.8匹)

黒澤いづみ著。講談社文庫。 「今年(2018年)読んだ本の中で、私のベスト3に入る1冊!」――宮部みゆき(単行本帯コメントより) 話題騒然のメフィスト賞受賞作。読者から届いた熱い、熱い声。続々重版出来。 子供を殺す前に。親に殺される前に。 すべての「向いて…

コロナと潜水服  (ねこ4匹)

奥田英朗著。光文社文庫。 早期退職を拒み、工場の警備員へと異動させられた家電メーカーの中高年社員たち。そこにはなぜかボクシング用品が揃っていた――。(「ファイトクラブ」) 五歳の息子には、コロナウイルスを感知する能力があるらしい。我が子を信じ…

誰も悲しまない殺人/No One Will Miss Her  (ねこ3.6匹)

キャット・ローゼンフィールド著。大谷瑠璃子訳。ハヤカワ文庫。 アメリカの田舎町で貸別荘を営むリジーが殺された。閉鎖的な田舎に外部の人間を呼び込む彼女は、高校野球のエースピッチャーだったドウェインを無理やり夫にした過去もあり皆から嫌われていた…

パラダイス・ガーデンの喪失  (ねこ3.6匹)

若竹七海著。光文社。 海に臨む庭園での老女の自殺、所轄署のクラスター騒ぎ、老人ホームを巡る不穏な噂、幼稚園児身代金誘拐――総勢15名以上の住民の物語がパッチワークのように交錯する。10年ぶりの〈葉崎市シリーズ〉は、とびきりビターな書き下ろし長編!…