すべてが猫になる

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2024-08-01から1ヶ月間の記事一覧

小説王  (ねこ3.8匹)

早見和真著。小学館文庫。 大手出版社の文芸編集者・俊太郎と、華々しいデビューを飾ったものの鳴かず飛ばずの作家・豊隆は幼馴染みだった。いつか仕事を。そう約束していたが、編集長の交代で、企画すら具体的にならないまま時間だけが過ぎていく。やがて、…

白薔薇殺人事件/How to Solve Your Own Murder (ねこ3.7匹)

クリスティン・ペリン著。上條ひろみ訳。創元推理文庫。 ミステリ作家の卵であるアニーは、大叔母の住む村に招かれた。大きな屋敷に住む資産家の大叔母は、16歳のときに占い師から告げられた、いつかおまえは殺されるという予言を信じ続けており、奇妙な老婦…

君のクイズ  (ねこ3匹)

小川哲著。朝日新聞出版。 生放送のTV番組『Q-1グランプリ』決勝戦に出場したクイズプレーヤーの三島玲央は、対戦相手・本庄絆が、まだ一文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し、優勝を果たすという不可解な事態をいぶかしむ。いったい彼はなぜ、正答でき…

名探偵のままでいて  (ねこ3.5匹)

小西マサテル著。宝島社。 第21回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作 。「認知症の老人」が「名探偵」たりうるのか? 孫娘の持ち込む様々な「謎」に挑む老人。 日々の出来事の果てにある真相とは――? 認知症の祖父が安楽椅子探偵となり、不可能犯罪に対…

家族解散まで千キロメートル  (ねこ3.5匹)

浅倉秋成著。角川書店。 実家に暮らす29歳の喜佐周(きさ・めぐる)。古びた実家を取り壊して、両親は住みやすいマンションへ転居、姉は結婚し、周は独立することに。引っ越し3日前、いつも通りいない父を除いた家族全員で片づけをしていたところ、不審な箱が…

恐怖を失った男/Fearless  (ねこ4匹)

М・W・クレイヴン著。山中朝晶訳。ハヤカワ文庫。 連邦保安官局のベン・ケーニグは頭部へ銃弾を受け、恐怖の感情を失った。さらにマフィアから懸賞金をかけられたベンは、任務に支障をきたし逃亡生活を余儀なくされる。ある日、彼は連邦保安官局に拘束され、…

清明 隠蔽捜査8  (ねこ3.8匹)

今野敏著。新潮文庫。 左遷先の大森署で署長として数々の功績を挙げた竜崎伸也は、神奈川県警に刑事部長として招かれた。着任後まもなく、東京都との境で他殺体が発見されたため、合同捜査が始まる。幼なじみで同期入庁の警視庁伊丹刑事部長と早々に再会を果…

鑑識写真係リタとうるさい幽霊/Shutter  (ねこ3.5匹)

ラモーナ・エマーソン著。中谷友紀子訳。ハヤカワ文庫。 アルバカーキ警察鑑識写真係のリタは、生まれながらに幽霊が見えた。そのために孤立し、故郷のナバホ居留地を去った苦い過去を持つ。 一方、霊能力は仕事に役立つ面も。幽霊は時折、他の鑑識官が気付…

正欲  (ねこ3.5匹)

朝井リョウ。新潮社。 第19回 本屋大賞ノミネート! 【第34回柴田錬三郎賞受賞作】 あってはならない感情なんて、この世にない。 それはつまり、いてはいけない人間なんて、この世にいないということだ。 息子が不登校になった検事・啓喜。 初めての恋に気づ…

月夜行路  (ねこ4.3匹)

秋吉理香子著。講談社。 わたしは誕生日すら祝ってもらえない――。冷えきった夫との関係や子どもとの生活に孤独感を募らせていた沢辻涼子は、我慢の糸が切れたある日、家出を決行する。飛び出した夜の街で出会ったのは、洞察力と推理力に優れた美しいBARのマ…