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恐怖を失った男/Fearless  (ねこ4匹)

М・W・クレイヴン著。山中朝晶訳。ハヤカワ文庫。

連邦保安官局のベン・ケーニグは頭部へ銃弾を受け、恐怖の感情を失った。さらにマフィアから懸賞金をかけられたベンは、任務に支障をきたし逃亡生活を余儀なくされる。ある日、彼は連邦保安官局に拘束され、かつての上司から行方不明になった一人娘の捜索を命じられる。死地へ向かうことを躊躇しないベンは、不倶戴天の敵ジェンと事件を追うが…。“ワシントン・ポー”シリーズ著者による新シリーズ開幕。(裏表紙引用)
 
「ストーン・サークルの殺人」などのワシントン・ポーシリーズで大人気のМ・W・クレイヴンの新シリーズ。分厚いし、ハヤカワ文庫NV(白背)だし読むか迷ったが、、やっぱり気になるので読んじゃった。読み慣れないハードボイルド・ガンアクションなので最初はちょこちょこ躓いたが、さすがクレイヴンの文章だけあって改行も章分けも多く笑、サクサクと読めた。ハヤカワ文庫はそもそも字が大きいしね(トールサイズとはいえ)。
 
主人公は連邦保安官局特殊作戦群(SOG)もと指揮官・ベン・ケーニグ。6年前の強制捜査で射殺した容疑者の父親(ロシアマフィア)に懸賞金をかけられ、数年間身を潜めていた。事件でベンは頭部を負傷し、ウルバッハ・ビーテ病を発症。恐怖心を失ってしまった。そんな折、連邦保安官局長官のミッチの娘マーサが2ヶ月前に誘拐され、ミッチはベンに裏の捜査を依頼する。
 
偽の身分証を10コ作ってもらったり、留置所から脱走させてくれたり、味方がいっぱいいるベン。凄腕の割にすぐに警察に捕まったり身分証がたいして機能してなかったり(1つくらいじゃない?使えたの)ポカミスも多いような。戦闘の腕前や知識は凄いようだが。ミルクシェイクにやたらこだわりがあるのは可愛い。
 
で、中盤までは黄色いスーツの男と駆け引きがあったり、床屋のもと警官と親しくなって協力してもらったり、ロッククライミング事故の真相や太陽光の会社の裏を暴いたりとポンポン展開が進んで面白い。後半はもうほぼアクションだし、真相が見えてからは後始末って感じなのでちょい飽きるかもね。ポーシリーズのような緻密さはないし、あっちの相棒と比べて今作の相棒?のジェンが個人的にちょっとなー。仲悪いのは分かるんだけど、ベンとの会話の語尾に「クソッタレ」っていちいち付けるの、なんかもううるさい。他にボキャブラリーないのかね。
 
と、思ってたらこのシリーズ、クレイヴンが趣味で描いたんだってね。どうりで。。
まあでも続きがあるらしいのでまた読むかな。それぐらいの魅力はあるよ。