すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

紙の動物園/The Paper Menagerie and Other Stories  (ねこ3.8匹)

ケン・リュウ著。古沢嘉通訳。ハヤカワ文庫。 香港で母さんと出会った父さんは母さんをアメリカに連れ帰った。泣き虫だったぼくに母さんが包装紙で作ってくれた折り紙の虎や水牛は、みな命を吹きこまれて生き生きと動きだした。魔法のような母さんの折り紙だ…

暗い越流  (ねこ4匹)

若竹七海著。光文社文庫。 凶悪な死刑囚に届いたファンレター。差出人は何者かを調べ始めた「私」だが、その女性は五年前に失踪していた!(表題作)女探偵の葉村晶は、母親の遺骨を運んでほしいという奇妙な依頼を受ける。悪い予感は当たり…。(「蝿男」)先の読…

逃走  (ねこ3.7匹)

薬丸岳著。講談社文庫。 死んだはずのあの男がいた。小さかった妹とふたりで懸命に生きてきた21年間はなんだったんだ?傷害致死で指名手配されたのは妹思いで正義感が強い青年。だが罪が重くなるとわかっていても彼は逃げ続ける。なんのために?誰のために?渾…

不良品探偵  (ねこ3.8匹)

滝田務雄著。創元推理文庫。 手遅れ確定のダメ人間、ネジの抜け落ちた規格外の頭脳を太い鉄筋でつなぎとめている男。白城一馬の変わり者の先輩・藍須救武を評する言葉は数あれど、端的に言うならば、「伝説の不良品」だ。普段はしようもないお馬鹿な言動で一…

夜のフロスト/Night Frost  (ねこ3.8匹)

R・D・ウィングフィールド著。芹澤恵訳。創元推理文庫。 流感警報発令中。続出する病気欠勤に、ここデントン警察署も壊滅状態。それを見透かしたように、町には中傷の手紙がばらまかれ、連続老女切り裂き犯が闇に躍る。記録破りの死体の山が築かれるなか、…

虚ろな十字架  (ねこ3.8匹)

東野圭吾著。光文社文庫。 中原道正・小夜子夫妻は一人娘を殺害した犯人に死刑判決が出た後、離婚した。数年後、今度は小夜子が刺殺されるが、すぐに犯人・町村が出頭する。中原は、死刑を望む小夜子の両親の相談に乗るうち、彼女が犯罪被害者遺族の立場から…

自覚 隠蔽捜査5.5  (ねこ3.8匹)

今野敏著。新潮文庫。 畠山警視は実技を伴うスカイマーシャルの訓練中、壁に直面する。彼女は共に難事件を乗り越えた竜崎に助言を求めた(「訓練」)。関本刑事課長は部下戸高の発砲をめぐり苦悩した。そこで竜崎の発した一言とは(表題作)。貝沼副署長、久米地…

熊と踊れ/BJОRNDANSEN  (ねこ3.7匹)

アンデシュ・ルースルンド&ステファン・トゥンベリ著。ヘレンハルメ美穂・羽根由訳。ハヤカワ文庫。 凶暴な父によって崩壊した家庭で育ったレオ、フェリックス、ヴィンセント三人兄弟。独立した彼らは、軍の倉庫からひそかに大量の銃器を入手する。その目的…

今だけのあの子  (ねこ4.3匹)

芦沢央著。創元推理文庫。 新婦とは一番の親友だと思っていたのに。大学の同じグループの女子で、どうして私だけ結婚式に招かれないの…(「届かない招待状」)。環境が変わると友人関係も変化する。「あの子は私の友達?」心の裡にふと芽生えた嫉妬や違和感が積…