2005-12-01から1ヶ月間の記事一覧
米澤穂信著。創元推理文庫。 高校一年生の小鳩くんと小山内さんはいつも一緒。でも、決して恋愛関係ではない。 「目指せ、小市民の星」を合い言葉に、つつましく生きるーーーが、 事件が次々と二人の前にーーー。 連作短編集。 本作が、著者本デビューの私。…
日明恩著。講談社ノベルス。 メフィスト賞作家の2作目長編。 二十歳の新米消防士・雄大は、同じく消防士として殉職した父に対する反発心から 同じ道を進む。しかし、消防馬鹿だった父とは違う、熱い消防士なんて真っ平だと 脱力し職務をただこなしていた。 …
秋月涼介著。講談社ノベルス。 メフィスト賞作家第3作。 シリーズ物としては2作目の長編です。 両親と弟を爆弾魔に殺された嘱託解剖医の嘉神沙遊良。 石細工師の風桜青紫に殺されたいと願う、煩悩を消失した17歳の霧嶋悠璃。 青紫に想いを寄せる、高校生…
石持浅海著。東京創元社ミステリ・フロンティア。 生まれた時の性別は全員女性、後に優秀な人物のみ性転換して男となるという 奇特な世界。 遥の姉は、学校で性転換候補の筆頭だった。 天文部の合宿の夜、その姉が何者かに殺された。やがて、校内で次々と 被…
京極夏彦著。講談社文庫。 忽然と出現した修行僧の屍、山中駆ける振袖の童女、埋没した「経蔵」…。箱根に起きる奇怪な事象に魅入られた者―骨董屋・今川、老医師・久遠寺、作家・関口らの眼前で仏弟子たちが次々と無惨に殺されていく。謎の巨刹=明慧寺に封じ…
講談社文庫。 小池和義は、ヒモ同然の婿養子(作家志望)。妻の景子に苛められることで 愛を確かめ合うという変な性癖の持ち主。 そんな彼が、景子の一言で妻を殺害する計画を練るーーー自分の「ある能力」を 使って。 完璧かのように見えた計画は、初っ端か…
氷川透著。光文社カッパ・ノベルス。 女性を狙った奇妙な連続猟奇殺人事件。足の小指が切断され、赤い靴下を履かせるという 異常な犯行。事件を担当する新人刑事・梨枝は、捜査を進めるうち事件と酷似した 小説の存在を知る。 行き詰まった梨枝は、友人であ…
幻冬舎文庫。 一年前に別れた恋人が失踪した。 真美は、その行方を探し始めるが、頭の中には幼くして死んだ双子の妹の声が響く。 自分の隠された力、に気付き始めた真美は、様々な事件に遭遇するがーーー。 恋愛ミステリ、と銘打ってあったので100マイル…
幻冬舎文庫。 香奈子はある日、恋人の貴治との待ち合わせ場所で「アヤコさんじゃありませんか?」と 訪ねる不思議な女性と出会う。不審を抱きつつも、「由子」と名乗るその女性と 親密な関係になっていく。 一方、根本は妹の異常行動が気になり、多重人格者…
二階堂黎人&くろけん著。光文社カッパ・ノベルス。 合作です。 オーストラリアの日本語学校の生徒ら15名は、スキー目的で千年岳に向かう。 そこでは、奇怪なタイムスリップ現象<ワームホール>の噂で持ち切りだった。 やがて、グループはスキー中、コー…
講談社ノベルス。 「鏡家サーガ」シリーズ第3弾。 これ、あらすじ書きにくいですね。実際、裏表紙に書いてある内容って 話の筋というより全体的な作品テーマですし。 ネタバレにならないように漠然と記事にしてみようかな。 第3作ですが、文章の成長が今回…
講談社ノベルス。 「松浦純菜シリーズ」第2弾です。 純菜のパートナー、「奇跡の男」八木剛士(おたく)の周りで、 女子高生首吊り事件、無差別放火事件が頻発する。 純菜と共に事件を調べ始めた剛士らは、ある一人のひきこもり男に辿り着いたがーー。 ……………
辻村深月著。第31回受賞作。 ある雪の日、学校に閉じ込められた8人の高校生。 時間の止まった空間。姿を見せない教師。 発見した集合写真の不可解な点。2カ月前に校舎から飛び降りたのはこの中の誰? うわあ面白かったです。 長いのでだれる、という評価…
積木鏡介著。第6回受賞作。 ちょっと流行った(らしい)メタミステリ。 結末から始まる「創造主」の謎に満ちたプロローグ。 舞台は絶海の孤島。 見知らぬ部屋で突然目覚めた、記憶を失った2人の男女。男の手には斧、女は ベッドの下。二人は突然出会う。 …
講談社ノベルス。 「松浦純菜シリーズ」第一弾です。 2年前に大怪我をし、療養していた純菜が地元に戻って来た。 一番の親友だった貴子が行方不明になっており、市内では謎の連続女子高生殺人事件が 発生。 「奇跡の男」八木剛士(おたく)と、純菜は真相を…
講談社ノベルス。 講談社が出してる密室シリーズの一つでございますね。 「密室ポン」とかいう^^;。このシリーズは袋とじになっているのですよ。 関口が目覚めると、そこは暗闇だった。四肢が椅子に縛られ、身動きができない。 隣では恋人の安奈も同じ目…
トクマ・ノベルス。 ノンシリーズ書き下ろし長編です。 人気漫画家、陣内の恋人、里美が交通事故で死んだ。そのショックから、陣内は 自作のヒロインキャラを作中で無意味に殺してしまう。 読者からは抗議の嵐。その中に、里美が死んだ日よりも前の日付(消…
薬丸岳著。講談社。第51回江戸川乱歩賞受賞作。 一児の父である桧山は、心に深い傷を負っていた。 数年前。自宅で、妻が子供の目の前で何者かに殺されていたのである。 犯人は捕まったが、いずれも13歳の中学生達の犯行だった。 少年法改正前で、逮捕さ…
横山秀夫著。講談社文庫。 「半落ち」とは、警察用語で、犯行は認めても全てを語らない状態を言うらしい。 警察官である梶は、アルツハイマーを患う妻を殺したと自首してきた。しかし、 嘱託殺人は認めても、殺害してから自首するまでの空白の2日間について…