講談社文庫。
小池和義は、ヒモ同然の婿養子(作家志望)。妻の景子に苛められることで
愛を確かめ合うという変な性癖の持ち主。
そんな彼が、景子の一言で妻を殺害する計画を練るーーー自分の「ある能力」を
使って。
完璧かのように見えた計画は、初っ端から予定外の展開を見せてーーーー。
面白いじゃないか(笑)。
能力は意外と普通のSPなんですが、(伏せます)またしてもそれに付随する
デメリットや条件などの制約がぶっ飛んでて痛快です。
本来、SP能力というと人間誰しも憧れるものなんですが、西澤作品に出て来る
能力は……それなら、欲しくない!というようなものばかり。
だって、危険性が高いとか使い道だとかいう以前にみっともない^^;。
本作も、理論でたたみかけすべてのコマが見事につながるのですが。。
(特に、小道具とも言える能力の付加要素の使い方、それがしびれる!)
これ、犯人、わかりやすくないか?^^;
心理的にも、論理的にも、推理小説のセオリーにはまりすぎですね。
全く同じストーリー、同じ犯人、同じ手口、それでも意外性を持たせる方法が
あるはずですが。。。例えば、主人公をもっと(おっと^^;)。
女性が読んだら「んなわけあるかい」と思うはずですしね。。。
まあでも、読む価値ありなトリック。
あ。それと。私、景子さんは最後まで憎めないキャラでした。