トクマ・ノベルス。
ノンシリーズ書き下ろし長編です。
人気漫画家、陣内の恋人、里美が交通事故で死んだ。そのショックから、陣内は
自作のヒロインキャラを作中で無意味に殺してしまう。
読者からは抗議の嵐。その中に、里美が死んだ日よりも前の日付（消印）で
不審な女性（神崎）からの手紙があった。神崎は、里美の死を予知していたのである。
陣内は疑いながらも神崎の家を訪ねる。神崎は４８歳のまともな女性で、陣内の
大ファンだった。
神崎の予知は本物なのか？予知は事前に防げるのか？
うーん、まあ普通に面白いという印象。
浦賀氏は、安藤シリーズ以外で「当たり」が今のところありませんね。
悪くはないのですが、ミステリを書かせるとちょっと無難なトリックに
おさまってしまう作家ではないでしょうか。
神崎の予知のアレなど、結構すぐわかってしまうし。
異常なファンとの対決など、ハラハラするシーンはありますが、
真相は意外でもない。
エピローグはこう持ってくるかと感心しましたが、なんだか哀しい。
気持ちの良い感動、ではない種類でした。
まあ、浦賀氏だし……。
