すべてが猫になる

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そこに無い家に呼ばれる  (ねこ3.9匹)

三津田信三著。中央公論新社

 もし何かが「一つずつ減っている」または「増えている」と感じたら、この読書を中止してください。 今回、編集者・三間坂の家の蔵から発見されたのは、厳重に封印が施された三つの記録。それらはすべて「家そのものが幽霊」だという奇妙な内容で――。 三津田信三の最凶「幽霊屋敷」怪談、最新作!(紹介文引用)
 
「幽霊屋敷」シリーズ第3弾。
うお~~~。怖かった+シリーズものとしてのまとまり具合に乾杯。今回の三津田さんも仲良し<頭三会>メンバー三間坂さんとの雑談~三間坂祖父の蔵から出してきた怪談記録、どうしちゃう?相談である<序章>から始まり、こわいこわい三つの怪談記録が披露される。
 
「あの家に呼ばれる 新社会人の報告」がとにかく怖かった!!住宅地の新築に1人で住むことになった青年が、隣の空き地に「無いはずの家」を見るというね。。。それだけならまだ普通の怖さなんだけども、なんでか知らないけどこの青年、取り憑かれたのか家の中に入っちゃうんだよね~~~とにかく家の中はカオスだし、地下を探索してる間に家の主が帰ってきちゃってからのくだりは本当にキモが冷えた。ここ読んでる間にインターホンとか鳴ったら「うわっ!」って飛び上がってたかも。。
 
「その家に入れない 自分宛ての私信」も怖さはないけど謎が多い。無いはずの家にテントを張って住む年配女性の私信なのだけど、この人がそもそも誰か?目的は何か?がサッパリ。
 
「この家に囚われる 精神科医の記録」はある患者の箱庭治療の記録。読んでいるうちに、患者の建てている家はああああの家では?!ってなる衝撃と恐怖よ。。
 
で、三津田さんががこの三つの記録を読んで、自分なりの推理を披露するんだけども。これがなかなか全部に筋が通っていて奥深いのよ。三津田さんの著作を読んでおく必要はないらしいけど、色々過去作のタイトルが出てくる。メタ世界というか怪談の雰囲気作りというか、読者の住んでいる現実ごと引き込もうっていう作風がエモいよね。いや~良かった。こういう無生物系ホラー好きかも。