すべてが猫になる

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赤と青とエスキース  (ねこ3.9匹)

青山美智子著。PHP研究所

2022年本屋大賞 第2位!! 2021年本屋大賞2位『お探し物は図書室まで』の著者、新境地にして勝負作! メルボルンの若手画家が描いた一枚の「絵画(エスキース)」。 日本へ渡って三十数年、その絵画は「ふたり」の間に奇跡を紡いでいく――。 二度読み必至! 仕掛けに満ちた傑作連作短篇。(紹介文引用)
 
最近青山さんばっか読んでるな。ということでその中でも一番気になっていたこちらを。タイトルも表紙もなんだかセンスが良くて素敵よね。
 
「金魚とカワセミ
メルボルンに留学中のレイと日系現地人のブーは期間限定の恋人として付き合い始めるが…。2人とも不器用というかなんというかもどかしいね。小難しいルールとかで武装しないで好きなら好きでいいと思うんだけど。
 
「東京タワーとアーツ・センター」
額工房に勤める空知は、オーストラリアの画家が描いた絵に惹かれ、1人で額制作を手がけることになるが…。額縁の世界っていうものがあるのかー。空知の作った額縁、目で見てみたくなった。
 
「トマトジュースとバタフライピー」
バタフライピー、飲んでみたい。ベテラン漫画家の元アシスタントが話題性の高いマンガ賞を受賞した。2人は対談をすることになったが…。こういう世界だからこそ憧れだけじゃなく嫉妬ってあるんだろうな。一人相撲は辛いよね。こういうこと言われたらますます自己嫌悪に陥ると思う。だけど根が純粋なのかな、2人はうまくいきそうで良かった。
 
「赤鬼と青鬼」
あのカップルの話に戻るのか、何十年も経って。ちょっと意外な関係性になっていたね。猫なんてエサとトイレと水だけ充分置いておけば3、4日ほっといても平気よ。元カノが泊まり込みする必要なんかない。それを頼む時点で、引き受ける時点で、未練ありありなんだろうなあと思いながら読んでいた。
 
「エピローグ」
これは終始この作品に登場していた絵の作者・ジャック・ジャクソン視点の小話ってところ。色々な人が繋がりすぎて混乱。青山さんといえばコレなんだけども。結構かる~く読んでいたので「誰だっけ」になること数回^^;。
優しくてあたたかくて人に寄り添う物語。今作もとても良かった。
けど、恋愛小説ってことになるのかな。小説といえど他人の色恋沙汰に興味がないのでこのジャンルは青山さんといえど苦手かも。。