すべてが猫になる

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ウェッジフィールド館の殺人/Murder at Wedgefield Manor  (ねこ3.7匹)

エリカ・ルース・ノイバウアー著。山田順子訳。創元推理文庫

ジェーンは英国の領主屋敷に滞在していた。一緒に旅行している叔母が館の主である男爵とかつて恋仲で、ふたりの間に生まれた娘が男爵の養女になっていたのだ。そんな館の使用人が車の事故で死亡した。スピードの出しすぎらしいが、ブレーキを踏んだ跡はない。娘の身を心配する叔母に頼まれたジェーンは、密かに事件を調べ始める。だが怪しい人影が目撃されるなど不審な出来事が続き……。アガサ賞デビュー長編賞受賞シリーズ第二弾。(裏表紙引用)
 
ジェーン・ヴンダリーシリーズ?第2弾。
前作「メナハウス・ホテルの殺人」がなかなか良かったのでこちらも。前回はエジプト、今回はイギリスが舞台。1926年設定なので時代小説ということに。ジェーンは寡婦で、夫から酷い暴力を振るわれていた過去がある。そんなことも今はすっかり…というわけにもいかず、せっかく戻ってきたレドヴァースからの求愛にも尻込みするばかり。もどかしいな。ジェーンは賢くて気が強くてしっかりしていて、とてもそういう被害に遭っていた女性とは思えないのだけどもね。。
 
今回はなんだかいかにも世のすべての女性を敵にしそうな青年が車に小細工されて殺されて、犯人もいかにも世のすべてから嫌われそうな人間でしたという結構ひねりのないミステリー。もうジェーンの過去や叔母ミリーの過去は暴かれちゃってるから(だから第1弾から絶対読むべきシリーズ)前作ほど盛り上がらないのは仕方ないが。まあまあ面白いので続編も出たら読むかな。
 
それにしても、1962年に男性が女性に「結婚したら家庭を守るのだからそういう趣味(ゴルフ)はやめなければね」と発言し、場が凍ったりするんだね。この発言をした男性は女性どころか男性にもドン引きされて全員にめちゃくちゃ距離を置かれることになるんだけど。そういう考え方が当たり前の時代じゃないんだね。