すべてが猫になる

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ウサギ料理は殺しの味/Femmes Blafardes

P・シニアック著。中公文庫。


フランスのとある田舎町のレストラン、その食卓に”狩人風ウサギ料理”が供された夜、必ず若い女
殺される。犠牲者のかたわらにはいつも一本の扇が……。”食”と”性”に異様な情熱を傾ける町の
人々を脅かすこの奇妙な謎、その信じ難い結末。(裏表紙引用)



もねさん、べるさん、ありがとうございます。もねさん御厚意の巡回本で、ただいま一番注目を
浴びている噂の「椅子から転げ落ちるほどのバカミス」をお借りする事が出来ました!
皆さんが「うわー」「ぎゃー」「ひえー」と盛り上がっている中、姉貴に「ゆきあやさん向きでは
ない」と忠告をいただき指でのの字を書いておりましたが^^;それを見かねてか、優しい優しい
べるさんからお送りいただけました!


さて。早速読ませていただきましたので、感想を。

まず、結論としては。
「さすが姉貴……^^;」と言った方が早いかと思います。。。
すいませんすいません、仮にもお貸しいただいた本に対しこのような発言は失礼千万ですが、
やはり記事にするのがご恩返しであり大人の義務であります。今時の言葉で言えば、
この記事は「KY」というやつです^^;;
みなさんとわたくしの温度差にお気を損ねられませぬよう。


町で次々と連続殺人が起き、シャンフィエなる探偵がこの奇妙な町で地味に奮闘するこの
お話自体は非常にお洒落で、好みの作風でした。エロ要素ですら、ちょっとした昔の外国の
ストリップの舞台を連想するような大人の性、という雰囲気であり、下品だとか不必要だとか
引いてしまう、というものではなかったです。
ただ、これは本当に自分の好みだけの問題。
本作は元々がかなりユーモアの強い作品であったので、それがこの奇想天外な結末と非常に
似合ってしまい、「驚いた」「わはははは」という感情は芽生えなかったです。
どちらかと言うと自分は一見カタい作風のものの結末が非常におバカだった、的な
(例:「凶鳥の如き忌むもの」「百番目の男/ジャック・カーリィ」)
面白さ、の方を好む読者かもしれません。


では、この作品の結末は私にとってどうだったか、と言うと、「感心した」の方が表現としては
近いと思われます。実は、第18章~あたりからは「ハハ、面白いやん」という感じで
多少こじつければ何でもこじつけられるんだなあ、という読み方でした。
評価が上がったのは、やはり皆さんと同じく「解決してからその後」ですね。
面白さを通り越してむしろどんどんやってくれ、というくらい爽快でした^^;
フランスの作家さんって、あまり「規制」がないのが特徴なのかな。やっぱ。

纏めましょう。
しかしながら、上で挙げた「結末だけが椅子から転げ落ちるほどの」面白さを持つ本よりも、
本書のように終始安定した面白さ、ワクワク感のあるものの方が質は高いって事です。



もねさん、ありがとうございました!うだうだ書いてしまいましたが、堪能いたしました。
何より、こうやって皆さんと同じ本を読んで感想を分かち合う場を与えていただけている事に
感謝しております。いつも^^

さ~て、次はどなたが。。。
あれ?もうほとんど回っちゃった??^^;;
どなたか是非挙手を!

あ、しろねこさん、「蔵六」とセットでいかが?(笑)