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迷宮百年の睡魔  (ねこ3.8匹)

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森博嗣著。新潮文庫

周囲の森が一夜にして海と化したという伝説をもつ島イル・サン・ジャック。22世紀の旅人ミチルとロイディがこの島で出会った「女王」は、かつて別の地に君臨した美しき人に生き写しだったーー。王宮モン・ロゼで発見された首のない僧侶の死体、犯人と疑われたミチル、再び消えた海と出現した砂漠。謎に満ちた島を舞台に、宿命の絆で結ばれた「女王」とミチルの物語の第2章がはじまる。(裏表紙引用)


思いっきり「女王の百年密室」の続編ですね^^;あまりシリーズものっぽくない内容だと思っていたのですが、舞台をルナティック・シティからイル・サン・ジャックに変えてミチルとロイディの冒険は続きます。今回の女王様もまた個性的。一週間に三時間しか起きていないというのにこの存在感はなんだ^^;
本作は、テーマがさらに広がった感じ。根本的テーマである”愛”から、肉体と精神の関係、人間とウォーカロンの距離感、”生”とは何か、誇りとは何かに真っ向から向き合っています。僧侶の首切り殺人事件もなかなか陰惨で興味深く読めますし、ミチルと住人とのトラブルを交えてなかなか濃い内容。普通に特殊条件化でのミステリとして読むも良し、ファンタジー世界に浸るも良し、熱い人間ドラマに置き換え涙するも良し。前作を読んでいたからこそですが、ミチルとロイディの関係やクジへの想いが
この物語の肝として光り輝いて見えますねえ。ラスト近くのミチルのロイディへの別れの言葉にはグッと来ました。

ところで、これ三部作って本当ですか。。。出てるのかな。
そして、森シリーズとして何がリンクしているのか分からなかったので検索してみたのですが。。。

エエエ~~~~~~~~~~~~~~~~~っっっっ^^;;;;;;;;
ここまで来るとちょっと・・・^^;;