すべてが猫になる

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火天風神  (ねこ3.6匹)

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若竹七海著。光文社文庫

最大瞬間風速70メートル超。観測史上最大級の大型台風が三浦半島を直撃した。電話も電気も不通、陸路も遮断され、孤立したリゾートマンション。猛る風と迸る雨は、十数人の滞在客たちを恐怖と絶望のどん底に突き落としてゆく。そして、空室からは死体が見つかって……。殺人なのか?そして犯人はこの中に!?謎とサスペンスに満ちた傑作パニック小説!(裏表紙引用)


う~ん・・・(ーー;)
久々に読んだ大好きな若竹さん、今回はなぜかノレませんでした。今の自分の精神状態もあると思うのですが、意地の悪いキャラクターや底に流れる狂気など、リアル過ぎて(本来そこが好きだったのだけど)今はご遠慮したい、と思ってしまう作風だったような。多視点構成で、様々な事情を抱えた男女が極限状態の中本性をさらけ出してゆく。陰に入る人物もいれば、一皮むけるポジティブな人物もいる。
彼らの内面の変化や人物像そのものが上手すぎる為に、肝心の”死体”の正体や犯人について、洞察する明確な”探偵役”が登場しない構成である事が欠点ではなくなっている。
二度言うけど気分的に向いていなかったためか、この構成でほぼ全編突っ走られるとあっぷあっぷしてしまう。

う~ん、1年前なら大好きになっていた作品だとは思うのだけど。。結構苦戦しました。