すべてが猫になる

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レインツリーの国  (ねこ4.2匹)

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有川浩著。新潮社。

あなたを想う気持ちに嘘はない。でも、会うことはできません。ごめんなさい。 きっかけは「忘れられない本」。そこから始まったメールの交換。俺はあっという間に、どうしても彼女に会いたいと思うようになっていた。だが、意を決して出したメールの返事はつれないもの。かたくなに会うのを拒む彼女には、そう主張せざるを得ない、ある理由があった――。青春恋愛小説に、新たなスタンダードが誕生! (あらすじ引用)


ひょっこり開架にあって図書館でうっかり万歳ポーズ。いくら有川さんでも恋愛ものは自分には「どうかな~^^;」と思っていたのですが、予約する必要がないなら迷わず借りちゃいます。自分はまだ未読ですが、「図書館内乱」に出て来る書籍の実物が本書、という仕組みなのだとか。どういう風に出て来るのか楽しみですね。(普通そっちを先に読むんだろうけど^^;まだ廻って来ないのよ。)

ある障害を持った少女と健常者の少年の恋愛物語。初恋のような不器用さと真っ直ぐさが痛々しいほどに伝わって来ます。この世に様々な障害や大きな悩みを持った人はいれど、それがどうして自分でなければいけないのか、わざわざ苦労してまでこの人でなければいけないのはどうしてか。そんな葛藤からも目をそらさず、喧嘩を重ねお互いを傷つけ合いながらも二人はメールという手段を使い立ち向かって行くのです。性格がとてもいいとはさすがに言えない二人の本音のぶつかり合いは手に汗を握ってしまいましたね。これは絶対上手く行って欲しい。若い二人だから遠い将来はわからなくても、今は乗り越えて一つの幸せを掴んで欲しいなあ、と見守りつつ。

しかし、正直言うとこの二人それぞれあんまり「好き」ではないですね^^;(どっちやねん)
シンがエレベーターでひとみを恫喝するシーンなんですが、(たとえ知らなかったとしても)人に聞こえよがしにアピールする必要はないだろう、と^^;加えて、ひとみを突き飛ばしたカップルに対してもそうだったので、心境は彼にとって真逆だったとしても怒鳴ってもしょうがないしそれしか出来ないのかな、と^^;(まあひとみにも怒られてたけどさ。。)

いやあ、でもノンストップで読みました。面白かったぁ~~。有川さんなら恋愛ものでもがんばって読めるかも~。(がんばらないといけないあたりがちょっと^^;)内容の善し悪しももちろん関係あるのだけど、ここまで引っ張って読ませてくれる作家さんは貴重だね^^