すべてが猫になる

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純情期  (ねこ3.5匹)

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小川勝己著。徳間書店

それは、瑠璃子先生の真っ白な脚線を見た瞬間から始まった。中学二年・日高優作、やんちゃな下半身をもてあます思春期。おっかない体育の女先生にのぼせ上がった優作は、とつぜん体操部に入部する。熱病が本物の恋へと姿を変えたとき、お気楽だった毎日は重苦しい日々へと暗転、そして事件がーー。(あらすじ引用)


出だしからいきなり目を剥く面白さですね^^;さすが小川さん。。中学生がぶかぶかのスーツを着て
ソー○ランドへ行き追い返されるという^^;あいたたた。小川さんを知らない人がタイトルを見て手に取って、冒頭を立ち読みしてさて「買おう」と思うかどうかは五分五分では。女性は棚に戻しそうです^^;

それにしても中学生の男子というのはたいていこんなもの?^^;ウチには兄貴がいるのでまあある程度はあんなものこんなもの色々目撃しているのですが(笑)、これじゃ動物ですがな^^;まあ可愛いもんだけど。お仲間さんの書評をいくつか今迄拝見していたので、だいたいの内容は想像が付いていましたが、一つだけ意外な事がありました。優作が恋する瑠璃子先生が決して美人でも色気ムンムンで優しい訳でもなく、年中ジャージ姿で竹刀を振り回し生徒に「このスットコドッコイ!」と叱責するという恐怖大魔王みたいな女性だった事です。。まあ、お話が進むにつれ瑠璃子先生の色々な面が見えて来るわけですが。おいらはこの先生、好きですね^^。
優作も、単にサカリがついているだけではなく、自分の気持ちを見つめ、欲情する自分を嫌悪する時間を持ったりしてなかなか真面目で純情で良いではないですか。

お話の展開としては、このままずっと瑠璃子先生への想いだけで引っ張って行かれたら辛いなあ、と思っていましたが遂に事件が発生します。出来ればもっと早い段階で加速を付けてくれていればもっとノレたのになあ。後半はやはり小川さんらしく暴走しますね。

しかし、鬼畜でグロでヤ○ザな小川ワールドはどこへ行っちゃったんでしょう。。。そうでなくても十分面白い作家さんなのですが、あの爆発的な個性は小川さんにしかない魅力だと思っているので最近の作風にはちょっと不満です。好きなものばかり書いていられない事や、読者が求めるものと作家の目指すものとのギャップがあるのかもしれませんが、現在の作風で以前のような固定のファンを掴むのは難しいのではないでしょうか。