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天の川の舟乗り  (ねこ3.7匹)

 

北山猛邦著。創元推理文庫

金塊を祭る村に怪盗マゼランを名乗る人物から届いた『祭の夜 金塊を頂く』という予告状。金塊がなくなると観光客が来なくなると危惧した村の有力者の娘は名探偵音野と助手の白瀬に監視を依頼する。しかし、警戒する二人の前で起こったのは密室殺人で……大胆なトリックと切実な動機が胸を打つ表題作など4編を収録。引きこもりがちな名探偵が活躍する、大人気シリーズ第3弾。(裏表紙引用)
 
引きこもり探偵・音野順シリーズ第3弾。
いやあ、今回はサクっと文庫化されて良かった。前作は文庫化までに7,8年かかっていた記憶が。。(でも単行本化に時間がかかったという噂もきく)結構売れっ子作家だと思うんだけどなあ。
 
で、今作は4編収録。
「人形の村」
白瀬の友人であるオカルト雑誌ライターの旗屋が、読者からのハガキで引き寄せられた「髪の伸びる人形」がある家。オカルトとしてはベタな設定なのだけど、人形からこの時間は目を離すなとか伸びる様をリアルに目撃したとか状況や展開はなかなか面白い。まあ、こんなこったろうと思ったけど、、旗屋いいやつっぽいのでちょっと可哀想。
 
「天の川の舟乗り」
伝統あるお祭り・金塊祭が開催される金延村に届いた予告状。しかし怪盗が盗むと宣言した金塊はニセモノで、当の怪盗がそれを知らないはずがないのだが。。。
中編かな。海の上を浮いたまま走るボートの正体に笑う。やれるもんなら実写化してほしい。。無理だよな~。。背後でワイワイやってるUFO研究会のメンバーが本当に意味なくてそれがなんだか良かった。
 
「怪人対音野要」
音野の兄が探偵役をつとめるお話。ドイツのバーンズ城に楽器の査定にやってきた音野だが、思わぬ殺人事件に巻き込まれ。。マントと凶器をどうやってあそこに置いたか、だけがポイントかな。これもまたトリックを生で見てみたいけれど、、現実的にはどうだろう^^;個人的には弟のほうが好きかな。
 
「マッシー再び」
金延村のゆるキャラ、マッシーがとうとう主役に。マッシーまんじゅうがしつこい笑。
このトリックが1番、その姿に笑ってしまいそうだ。。。こういうの嫌いじゃない。
 
以上。
物理トリックといえば北山さん、みたいなイメージがあるけれど、発想自体は面白いけど現実的に納得いかないのが難点かなあ。トンデモトリックを可能に見せるパワーが足りないというか。。まあこの引きこもり探偵ならムリか。。