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殊能将之 未発表短篇集  (ねこ3.8匹)

殊能将之著。講談社文庫。

もはや古典とも評される「ハサミ男」を皮切りに、傑作長篇ミステリを生み出してきた殊能将之は、二〇一三年一月、急逝した。本書に収められた三つの短篇は没後に発見されたもので、ミステリ作家・殊能将之の出発点とも言うべき作品である。「ハサミ男」誕生の経緯を語った「ハサミ男の秘密の日記」同時収録。(裏表紙引用)
 
2013年に急逝し多くのミステリファンに最後の衝撃を与えた作家・殊能将之さん。作品数は少ないものの一応ファンのはしくれとして読破はしているはず。で、この短篇集ももちろん手を出しますよということで。殊能さんにあまり短篇のイメージはなく、収録されている「犬がこわい」「鬼ごっこ」「精霊もどし」を読んでも「あれ?こういう作風の人だっけ?」と少し戸惑った。殊能さんらしさはもちろん残っているのだが、どうにも軽いというか。いや、好みだったし面白かったんだけどね。もう少しとっつきにくい作品だった記憶があるもので(ハサミ男以外)。「ハサミ男の秘密の日記」に関しては、途中までは半分以上創作だと思って読んでいた。だって今時アパートの大家さんに電話を取り次いでもらうとか姉を介してしか連絡がつかないとか^^;。。
 
それよりも殊能さんがかなりお若い頃からSF評論などその筋では有名人だったということに驚いた。ハサミ男は2、3回読み直してるんだけど、他の作品も再読したくなってきたなあ。しまった、処分するんじゃなかった。。