すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

フルスロットル/Trouble in MindⅠ  (ねこ4.3匹)

ジェフリー・ディーヴァー著。池田真紀子訳。文春文庫。

キャサリン・ダンスの尋問が通用しないテロリスト、リンカーン・ライムの科学捜査を逆手に取る犯人!?久々登場のジョン・ペラムが爆走し、再起を懸ける中年俳優が緊迫のポーカー勝負に挑む。次から次に繰り広げられる攻防はまさにフルスロットル。シリーズ看板スターが総出演、サプライズの魔術師が魅せる息もつかせぬ6編。(裏表紙引用)
 
ジェフリー・ディーヴァー第3弾短篇集。おなじみキャサリン・ダンスやリンカーン・ライムなどレギュラー総出演でファンには嬉しい内容。「トラブル・イン・マインド」を2分冊した本の1冊らしい。長篇も出てるのだがこっちのほうが時系列的に(出版ナンバー的に)先のようなのでこちらから。
 
「フルスロットル」
キャサリン・ダンスのキネシクスが全く通用しない、人間が必ず持つ善意を持たないテロリスト。ディーヴァー作品を読みなれていればダンスの仕掛けには気づくが、「フルスロットル」の意味が分かった時のかっこよさ。。。
 
「ゲーム」
ロン・セリットーがゲスト出演。カルーソという探偵はお初??資産家の老婆が詐欺師親子に殺された?世話係の女性は老婆の遺体を探してくれと依頼するが…。これもまたどんでん返しの予想はつくが、それでも面白い、爽快。
 
バンプ
バンプ、いわゆるバズりがあれば再起できると信じる元人気俳優は、実費で参加するポーカーのリアリティー番組に出演するが…。ポーカーは分かるけど賭けの用語がわかんので時々ちんぷんかんぷん。翻弄される展開にテンション上がる。バラされるのではなく本人が推理して気づくあたりが面白い。
 
「教科書どおりの犯罪」
お待ちかねのリンカーン・ライムもの。ライムの身体が少しずつ回復していっているのが嬉しい。嘘の証拠物件を死ぬほど撒き散らした殺人者との対決。捜査や展開は長篇顔負けの本格派だった。動機は短篇ものって感じだが。あの新キャラクターいいね。また出て欲しい。
 
「パラダイス」
ジョン・ペラムもの。。。って、誰!?ディーヴァーの初期シリーズキャラらしい。でもこれは知らないほうが騙されたのかも、と思うので結果オーライ。これは予想できなかったなあ、キャラを知らないから?
 
「三十秒」
北京オリンピックを舞台にしたテロリスト事件。誰がテロリストで誰が捜査員なのか分からない状態で、短い話ながらも爆発があったり緊迫感ましまし。二本目のゴールテープが効いてる。おまけのような一篇だけど読みごたえあり。
 
以上。
駄作なし、どれもとても面白かった。どんでん返しの詰め合わせ。キャラクターシリーズもの以外も、遜色ない出来だと思う。「2」も楽しみ。