すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人  (ねこ3.8匹)

東野圭吾著。光文社文庫

結婚を控えた神尾真世に「父が殺害された」と警察から連絡が入った。真世は仕事と結婚準備を抱えたまま、寂れた故郷へ降り立つ。そこは人が滅多に訪れない小さな観光地で、ようやく射した希望の光すら新型コロナウイルスの蔓延により奪われた町だった。殺害現場となった実家に赴くと、警察官ではない、謎の人物が入り込んでいて――。真っ当ではない手段も厭わない、破天荒な”黒い魔術師”が犯人と警察に挑む! 東野圭吾による大注目の新シリーズ、「ブラック・ショーマン」開幕!(紹介文引用)
 
東野さんの新シリーズ。そろそろ続編の短編集も出るみたいね。ガリレオ、加賀恭一郎に続く新キャラクターの誕生ということで。元マジシャンの探偵役ってことで、ヒロイン真世にとっては叔父にあたる存在。父を何者かに殺害され、婚約者との仲もなんだかぎくしゃくし始めた真世にとって、叔父は何かと頼りになる存在。姪にご飯をたかるわ嘘をつきまくるわ、人間性は決して信用できたものではないのだけれど、その推理力は確か。金田一少年ばりに教室に容疑者を集めて死者に変装して推理を始めるあたりはなかなか映像的でいいかもね。身内が死んでるのに2人がなんだか楽しそう、っていうのも自分は気にならないな。色々な家庭があるし。
 
ガリレオ、加賀さんに比べたらそりゃもちろんキャラは弱いかな。「ブラック・ショーマン」なんて名付けられるほどの派手さやオーラはないかなあ、今のところ。殺人事件もわりと平凡で引きが弱かったし。アニメで町おこし、とか同級生たちをドラえもんのキャラクターに例えたりするところは面白いなと思ったけど。犯人に対しては、正直に言っても何の問題もなかったはずなのに、、と思われてやりきれない。