すべてが猫になる

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追憶の殺意  (ねこ3.7匹)

中町信著。創元推理文庫

自動車教習所の配車係が川土手で頭を強打して死んでいた。さらに技能主任が密室状況下で殺され、続いて指導員と教習生を巻き込み、複雑に絡み合った人間関係の中から、捜査線上に浮かんだ一人の容疑者。だが、その人物には、二重三重に仕組まれたアリバイが!?著者がミステリの正統(密室+アリバイ破り)に挑んだ傑作!(裏表紙引用)
 
久々に中町さんを。この殺意シリーズはいくつか読んでるはず。
 
いやあ、時刻表が掲載されているミステリ久しぶりに読んだ!!出てきた瞬間「ヒィ」と声が出る(もちろん飛ばす)。時刻表トリックオンリーの小説だったら音を上げていたかもしれないが、密室トリック~アリバイトリック~動機の告白、の三連コンボだったのでなんとか乗り切れた感。登場人物が多く、人間関係もかなり複雑。さらに3人の被害者が出るのでそれぞれがどう絡み合うのか、、とにかく一生懸命ゆっくりゆっくりと名前と関係を覚えながら、こんがらがりそうな頭にムチ打って(頭に?)、完走。私自身、実は運転免許を持っていないので「教習所ってこんな感じなのか~」と楽しみながら。動機含め人間関係が色々どす黒いので物語としてもなかなか刺激的なのだが、ミステリのトリック暴きに重点が置かれているのでそっちに熱量を持っていかれたかも。。面白いけど、複雑で疲れた~!
 
もちろんそれだけで全体を評価はしないけれど、80年代の作品なのでところどころ今なら完全アウトな記述もいくつか。悪質教官が生徒のスカートに手を突っ込んだりね。女性も「いやだわ先生」とか「~ですのよ」みたいに話す人ばっかりで、、当時の関東?の女性の言葉使いって本当にこうだったのかしら。。もちろん身内に対してはこうじゃないだろうけど。