すべてが猫になる

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災いの古書/The Sign of the Book  (ねこ4匹)

ジョン・ダニング著。横山啓明訳。ハヤカワ文庫。

古書店主クリフは、恋人エリンの頼みで蔵書家射殺事件の調査を開始した。被害者男性とエリンが交際していた過去があり、容疑者女性がエリンの元親友という事情から依頼を引き受けたのだ。まもなく被害者が貴重なサイン本をコレクションしていたという事実が判明する。本をめぐる争いに巻き込まれたのか?やがてその蔵書をめぐり怪しい三人組が暗躍しはじめ…古書にまつわる意外な蘊蓄を盛りこんだ人気シリーズ第四作。(裏表紙引用)
 
※具体的で詳細なネタバレはしていませんが、まっさらな気持ちで読みたい未読の方は記事を読まないで下さい。
 
 
初読み作家さん。
いただいた本なので、シリーズ第四弾でも気にしない。解説によると、このクリフ・ジェーンウェイシリーズは毎作世界観がガラリと変わって事件もそれぞれ独立しているからどこから読んでも支障はないらしい。ちょこっと過去作のエピソードっぽい「??」な記述があるにはあるが、それさえも解説で「これは〇〇という作品で出てきた人物の事件の~」と説明をしてくれていたりする。まあ、クリフの恋人である弁護士のエリンとの馴れ初めぐらいは知っておきたかったかな~。
 
で、内容。元警官の古書店経営者が探偵役ということで。エリンの友人ローラが夫を射殺した疑いがあり、その夫はエリンの元カレだという。いやあ、クリフって心が広いわね。。恋人の元カレの妻の無実を証明しようっていうんだから。
 
事件の調査のためにチンピラみたいな古書屋三人組とやりあったり、極悪保安官代理の罪を暴くために奔走したりと色々命がけなクリフ。目が離せない男って感じでハラハラさせられっぱなし。容疑者のローラはなにやら隠し事があるようで嘘をついたりごまかしたり、こちらもイライラ。。裁判のためにエリンもクリフもかなり頑張るのだが、なんとな~~く犯人はあの人じゃないかな~~~と思っていた人だった。(2005年~のミステリはあまり凝っていなくて分かりやすい)なんだかクリフらのやってきたことや裁判の用意が全部ムダだったんじゃ、、と思わなくもないラスト。でもまあ面白かったからいいか、という感じ。
 
ところで著者のサイン本って、偽造されたら素人には判別のしようがないっていうのがね。。こういう業界って、ちょっとマネがうまかったら誰でも騙せちゃうんじゃ。。本人が納得して信じてて幸せならそれでいいかもしれないが。。
 
読みやすいし気に入ったので、第一弾から読んで行こうかな。第三弾までは字のフォントが小さいし訳者も別人だそうだが。。。