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或るろくでなしの死  (ねこ4匹)

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 良識を示そうとした浮浪者が誰にも相手にされずに迎える「或るはぐれ者の死」、他国で白眼視されながら生きる故郷喪失者の日本人が迎える「或る嫌われ者の死」、自らの欲望に女の子を奉仕させようとしたくだらない大人が迎える「或るろくでなしの死」、過去の栄光をよすがにダメな人生をおくるぼんくらが迎える「或る英雄の死」…。本人の意志や希望と関係なく不意に訪れる7つの“死”を描いた傑作短編集! (裏表紙引用)

 


久しぶりに読んだ平山さん。相変わらずのうげ~~オェ~~な内容。変わってなくて何より(;^^A。

 

「或るはぐれ者の死」
ホームレスの男が発見した、車に踏み潰され原型を失った子どもの遺体。だが誰も男の言うことには耳を貸さず・・・。ま、まあ、こうなるでしょうね(;^^A。終わり方が実録集みたいでちょっと残念。もっと途方もない世界観を期待してしまったのだが。

 

「或る嫌われ者の死」
日本人がほぼ駆逐され、迫害を受ける世界。電車に挟まって瀕死の状態となった日本人男性の運命を描く。よくこんなの描いて誰にも怒られなかったな^^;今のある国と日本との情勢を考えたらちょっとゾクっとしたが。ところで彼の持っていたはずのアレはどこへ?

 

「或るごくつぶしの死」
女性を妊娠させて事態から逃れようとする男とちょっと頭の弱いその女性のお話。あらすじちょっと書いただけでイヤんなってきたわ^^;男の感情に変化が出てきたのが救い・・・なのか?これ^^;

 

「或る愛情の死」
交通事故で長男を失った夫婦と生き残った次男の、家庭崩壊のお話。父親がこういう状態の長男を後回しにしたのは人としてわかる気がしたが、母親としてはやはり違うんだろな。ていうか、最後のどんでん返し有り得ない。嘘すぎて興ざめ。

 

「或るろくでなしの死」
殺し屋の男と、動物を殺すことを日常としている少女のお話。出会うべくして出会った二人という感じがんとも。少女の家庭環境とか書いてしまうとリアルを想像してしまうが、あくまで平山世界のお話、一筋縄ではいかない。

 

「或る英雄の死」
子どもの頃、命を助けてもらった男とその助けた男との友情を描いたもの。・・・とか書くとよくあるお話のようだが、もちろん違う。ていうか、動物をアレするシーンとか最悪すぎてもう。°(°`ω´ °)°。老婆を襲ってから恐怖の双子が登場するあたり、ぶっ飛んでるなあと思う。

 

「或るからっぽの死」
親しくない大人の姿が視認出来ないという奇病の男が登場する。死にたがっている女「シニコ」との出会いが男の人生を変えた。能力が特殊すぎてなんだかな。


以上。
スプラッターと言えるのは「英雄」だけかな。あとは精神的に攻撃されているようなエグさがあちこちに。どれも平山世界で堪能した。と言わないと「読んだお前が悪い」と言われそうなぐらいのパワーが恐ろしい。