すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

お召し上がりは容疑者から パティシエの秘密推理  (ねこ3.7匹)

イメージ 1

 

警察を突然辞めた惣司智は兄の季が継いだ喫茶店でパティシエとして働き始めた。鋭敏な推理力をもつ智の知恵を借りたい県警本部は秘書室の直ちゃんを送り込み難解な殺人事件ばかり相談させている。弟をお菓子作りに専念させたい兄は、なくなく捜査の手伝いを。人の良い兄の困り果てた事態を見かねた弟は、しぶしぶ事件解決に乗り出す羽目に……。(裏表紙引用)

 


似鳥さん2冊目。過去に読んだものとは違うシリーズ(?)に手を出してみた。アチコチにぶつかり怪我をしながらも、無事読了。大変面白かったのだが、読んでいる間自分の中にいる天使と悪魔がせめぎ合い、複雑な読後感となった。(※以降、言葉が荒れますので不快になられたらすいません。でもストレス解消させて。お願い。)

 

まずこれを言おう。直ちゃんの言葉使い(語尾に「~っス」をつける)なんとかしてくれないか。自分が被害者遺族か何かだった時、こんな女性刑事がやって来たら顔面に跳び蹴りするわ、私。しかも素人に身分詐称させて捜査するわ、裏金発言するわ、弁護士の話盗み聞きするわ他人のプライバシーを他人にベラベラ話すわ。。。久々に壁に本投げつけてやろうかと思った。迷宮入りしている何年も前の事件を現場検証と聞き込みで数日で解決するってどんだけ!いかほど!あと、煙草を吸わない人が吸ったふりしても吸ってる人にはわかりますから。そして「~っス」を語尾につけるキャラクター、一つの小説に二人もいらない。どっちが喋ってるんじゃい。


ぜーぜー。(;・∀・)批判はここまで。

 

でもね、でもね。直ちゃん、憎めないんだわさ(/ω\)。主役二人を食ってしまっているぐらいの存在感。この気持ちはなに。そして、智が結構私のタイプ。普段おっとりしているけど、警察の仕事となるとキリっと厳しくなるのがツボ。スイーツもいちいち美味しそう。事件の推理はチョコチョコ強引なところもあるし人物の行動に疑問を呈したいものも多少あったが、関係者の人間模様がどれも熱くて、時に重たくて、心に沁みる。もっとライトなミステリーかと思ったら、意外にも毒のたっぷり入った、考えさせられる内容も多かった。特に最終話。でも殺人自体は肯定しちゃダメよ智。ちょっと難しいかもしれないが、続編描いて欲しい。また文句言いながらもペロリと完食します。