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真夏の方程式  (ねこ3.7匹)

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東野圭吾著。文春文庫。

 

 夏休みを玻璃ヶ浦にある伯母一家経営の旅館で過ごすことになった少年・恭平。一方、仕事で訪れた湯川も、その宿に宿泊することになった。翌朝、もう1人の宿泊客が死体で見つかった。その客は元刑事で、かつて玻璃ヶ浦に縁のある男を逮捕したことがあったという。これは事故か、殺人か。湯川が気づいてしまった真相とは―。 (裏表紙引用)

 


だ~~~~(ToT)
湯川先生よ~少年よ~~~(ToT)
・・・とはらはら感動しながら読了。いいね、泣けるね。「容疑者Xの献身」と比較される作品なので、どうしてもあちらには劣るが、湯川×少年の夏休み、というテーマのドラマと考えたらそれだけでもう素晴らしかった。そこしか見どころはない、と言ってもいいぐらいだ。

 

玻璃が浦の海を守りたい地元の人々と、海底資源開発を調査する科学者たちの対決が物語の基となっていて、湯川先生は補佐のような役割で呼ばれている。ひょんなとこから湯川先生が泊まることになった宿の客が、翌朝酔って足を滑らせて落ちたかのような死に方をして・・・というお話。東京にいるお馴染みの内海薫や草薙刑事と協力しながら、事件に疑問を感じた湯川先生がある真相に行き着いてしまうというもの。トリックに関しては、「えっ、それだけ?」というようなレベルのものでガッカリ。足を棒にして判明した事件の真相や動機、人間模様などについてもどうも浅はかで軽い印象。容疑者Xの時には「それほどまでにして己を犠牲に・・・(涙)」だったが、こちらの場合は軽率で短絡的だなあとしか思わなかった。

 

ちなみに、映画もスクリーンで観たのだが、全く同じ感想である。やはり湯川と少年のシーンが一番よかったし、そこしかよくなかったのである。ペットボトルロケットのシーンや、それを思い返すシーンなんて最高。湯川先生、実は非の打ちどころのない父親になれるのではないかと思ってしまった。息子限定で。福山効果かな?