すべてが猫になる

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シュークリーム・パニック 生チョコレート  (ねこ3.6匹)

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高校2年生の夏休み。受験勉強を前に、羽を伸ばしてすごせる最後の夏、「僕」は仲間たちと映画制作を始めた。監督の「僕」は以前から気になっていた同級生、百合川京子を主役に抜擢し、撮影は快調。しかしその最終日、ラストシーンのロケ場所から、彼女の姿が消えた―!?感動的な結末に心がほっこりする中編「夏の終わりと僕らの影と」はじめ、本格ミステリの名手の技が光る3編を収録。2ヶ月連続刊行第1弾!(裏表紙引用)

 


倉知さんの中編集。前回の「こめぐら」「なぎなた」のように、対になっている本がもう1冊あるかたち。タイトルが全然内容と関係ないのも前回同様。

 

「現金強奪作戦!(但し現地集合)」
借金まみれの青年が、競馬場で知り合った男に銀行強盗計画を持ちかけられ、それを実行するお話。登場人物のベタな関西弁にイラっとするも、本番で計画が違ってしまったことの真相がなかなか。計画があまりにも杜撰なのでハラハラしたが、やはりこういうことか。これ、実際に使えそうよね。コワイコワイ。


「強運の男」
バーで隣り合った紳士的な男にちょっとしたギャンブルを持ちかけられた男の運命を描いたお話。マトリョーシカを使って賭けの雰囲気を盛り上げていくのが楽しいが、さすがに予想のつく展開が5度も繰り返されるので飽きちゃう。ラストも普通なような。


「夏の終わりと僕らの影と」
夏休みに自主制作映画を作ることになった高校生たちのお話。爽やかな青春という感じで特に瑕疵もないしイラっともしないのだが、謎自体にあまり興味を抱けなかったなあ。そして恐らくここの登場人物たちは私と同世代だ。


以上。
う~ん、つまらなくはなかったが、倉知さんにしては物足りなかったな。一番ミステリ的に良かったのは1篇目だと思うけど、お話的には3篇目なのかな。続編に期待。