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チャット隠れ鬼 (ねこ3.3匹)

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山口雅也著。光文社。

神名川学院の教師である祭戸は、学院長に命じられてネットの中の未成年犯罪を未然に防ぐ自警団員、
「サイバー・エンジェル」の任につく事となった。
チャット初心者でありネット音痴の祭戸は、練習の為に参加してみたチャットで出会った
Jezebel-Pという主婦と交流を持つようになる。このjezebel-Pとの出会いが、祭戸にとって
不可解な事件の始まりだったーー。


これはダメでしょう(^^;)。。
古今東西のミステリーを読み、山口さんがお好きな人なら誰でも同じ感想になりそうなのでわざわざ
私が書かずとも良さそうなもんですが、とりあえず私が感じた事は。
ネットを扱ったミステリーって、傑作出すの難しいよなあ。。。に尽きる。
くろけん「幻影のペルセポネ」で取り沙汰されていた、ネットという世界に広がった無限のフィールドを
使いながら、それを生かせず身の回りの人物だけで物語を動かしてしまうその窮屈さ。
それがこの作品でも大きな欠点となった気が。
それも、「幻影~」の場合はそこが唯一の欠点であって、物語としても謎や伏線の巧みさは
素晴らしく、その短所を携えながらも傑作と言い得たように思う。(応援団の欲目か?)
本書の場合は、その欠点のみで構成された印象を受け、結果残念な作品と言わざるを得ない。

山口さんは好きなのでこれぐらいにしておこう。。言ってる割に点数が高めなのは
作家への期待度と、横書きでリアルなチャットの雰囲気を再現させたアイデアと、
とりあえずjezebel-Pが面白かったからサービス。
実はこういうのは嫌いではない。読んでる最中は半笑いで一気読みである。
山口さんだから期待したのに!という人と、まあ山口さんと言う事で楽しめたよ、という人に
分かれそうですが、私は後者ね^^v