すべてが猫になる

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縄紋  (ねこ3匹)

真梨幸子著。幻冬舎

縄紋時代、女は神であり、男たちは種馬、奴隷でした。 フリーの校正者・興梠に届いた自費出版の原稿。それは “ 縄「紋」時代 " に関する記述から始まる不可思議なものだった。読み進めていくうち、貝塚で発見された人骨など、現在にも繋がる点が幾つも現れて。.....この著者の正体は誰なのか、「縄紋黙示録」に隠されているメッセージとは。やがて興梠たちの身辺でも異変が起こり始めーー。多くの文豪たちが暮らし、今も有名学区が犇めく東京・文京区を舞台に、過去と現代、そして未来が絡み合う驚天動地の大長編。これは小説か預言なのか。 世界まるごと大どんでん返し!(紹介文引用)
 
え、真梨さんどうしたの……?
ということで、まさかの縄紋(文、じゃない理由は作中に説明あり)時代ミステリー?考古学ミステリー?校正者の興梠が請け負った自費出版の小説?「縄紋黙示録」の内容を精査するうちに、どんどん作中の縄紋世界に引き込まれていき、仕事仲間の一場と共に各地を巡っていく。作者の女性が異常な殺人事件の犯人であることを突き止め、現実の事件と縄紋時代の「女社会」の謎を紐解いていくが…。って感じかな。
 
男性が語り手というのがまず真梨作品では珍しい。私の覚えている限り、記憶がない。興梠は糖尿病の疑いがあったり一場は興梠の家に親しくもないのに転がり込んできたりとそれなりにヘンではあるのだが、いつものイヤミスワールドに全然ならない。いや、事件は気色悪いし縄紋時代の男性の扱いの酷さグロさを考えたらそんなことはないと言われそうだけど…。かなり分厚い本で、内容の半分近くが歴史ウンチク(創作あり)だったせいでどうも作品世界に入り込めないというか。。資料読まされてる感じ。何度も挫折しかけたが、分からないところはもう分からないままでいいやと資料部分は心を殺してなんとか読了。縄紋時代に興味のある人なら楽しく読めると思う。
 
煽っていたほどのどんでん返しでもなかったしなあ。。真梨さんならもっとぐるんぐるんぐるーんとどんでん返してくるイメージだから、肩透かしかな。