すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

キャリー/Carrie  (ねこ4.5匹)

スティーヴン・キング著。永井淳訳。新潮文庫

狂信的な母親に育てられた風変りな少女キャリーは16歳。絶対的な母親の権威と、止まるところを知らぬクラス・メートたちの悪意、それに自身の肉体の変化も重なって、彼女は極度に追いつめられた。そして誰も知らなかったのは――彼女が念動能力の持主であることだった。キャリーの精神が完全にバランスを崩した時、チェンバレンの街は炎に包まれる……。話題作家の処女長編。(裏表紙引用)
 
再読。
 
奥付見てビックリ、初版が昭和。もっと読みやすい現代向け訳のほうも持っているのだけど、チラ読みしたら「メンス」のところが「せいり」になっていたり差別用語が言い直されていたりするので雰囲気ないなあと思って読みにくいけど古い方で再読した。このデビュー作はわりと好きなほうで、76年版の方の映画も観ている。もともとストーリー自体は最初っから全てネタバレされている作品だしラストの〇の血のシーンはあまりにもキショくて有名なのだが、それでもとても面白かったしワクワクした。
 
ストーリーは把握していても、細かいところは忘れているので今回ちょっとキャリーに対する思い込みが払拭されたかも。。テレキネシスの持主ではあるし、ちょっと変わった子ではあるけれど、もともとのキャリーは恋愛もしたいオシャレもしたい皆に溶け込みたい普通の女の子なのだ。それを狂わせてしまったのは間違いなくこの母親だし、イジメたクラスメイトたちや女の子に乗せられた男の子たちだ。生まれが違っていれば、若さがこんなに残酷でなければ、こんな事件は起きなかっただろうに。
 
初期のキングの文体は聞いていた通り、一文一文が長いんだな。読みづらいとは思わなかったけど、特徴的だった。飽きるまでしばらくキング再読祭りするか。。