すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

1(ONE)  (ねこ3.8匹)

加納朋子著。創元クライム・クラブ。

大学生の玲奈は、全てを忘れて打ち込めるようなことも、抜きんでて得意なことも、友達さえも持っていないことを寂しく思っていた。そんな折、仔犬を飼い始めたことで憂鬱な日常が一変する。ゼロと名付けた仔犬を溺愛するあまり、ゼロを主人公にした短編を小説投稿サイトにアップしたところ、読者から感想コメントが届く。玲奈はその読者とDMでやり取りするようになるが、同じ頃、玲奈の周りに不審人物が現れるようになり……。短大生の駒子が童話集『ななつのこ』と出会い、その作家との手紙のやり取りから始まった、謎に彩られた日々。作家と読者の繋がりから生まれた物語は、愛らしくも頼もしい犬が加わることで新たなステージを迎える。(紹介文引用)
 
加納さんの新刊。なんと駒子シリーズらしい。な、何年ぶり?20年とか??
というわけで、まったく今までの内容を覚えていないのでシリーズ未読で読んだ人とあまり立場的には変わりがないのではないかと。。でも好きだったはずなんだけどね。。
 
とはいえ、駒子らしい人物は全然出て来ない。かなり後半である事実が判明するまで、駒子シリーズだということを忘れて読んでしまっていたぐらい。とにかく犬と家族を大切にする人々のお話という感じで、それを侵害する人間は許さない、強い意志と優しさのある物語。加納さんらしい作品。ストーカーを撃退する家族一同とか、ペットを森に捨て続ける人間や炎天下の庭に犬を繋いだまま放置する飼い主とか。。犬が好きだったらもっと感情移入できたんだろうけども(ねこ派)。ちょっと自分と関連性が薄かったのでアレだけど、ファンタジーだと思うことにして面白く読んだ。駒子シリーズにしなくても良かったかもしれない。